歯科医院の数が増加している
ここ20〜30年の間で、あちこちに歯科医院が乱立してきているのにお気づきの方も多いと思います。
昭和50年にはわずか4万人強だった歯科医師が、平成6年には8万人を超えて、平成14年度の実態調査では9万2874人となっています。
また、全国の歯科医院の数は6万7000軒以上と、コンビニより多いとされています。
人口10万人あたりの歯科医師数は70人を超えており、適正といわれる50人を大きく上回っています。
この過剰供給の傾向は、とくに都市部で顕著です。
医療といえども経済原理にしたがっていますから、歯科医師が増えれば当然、医院ごとの患者数は減少します。
その結果、医院を維持するための患者獲得競争が起こり、いきおい良質な医療より経営を優先させる医療へと、質の変化を余儀なくされます。
歯科医院が多くなれば、患者さんにとって選択肢が増えて便利になると考えることもできますが、かならずしもそうとはいいきれないのが現状です。
歯科医院の数が増えれば、たしかに患者さんには選ぶチャンスも増えますし、あまり待たずに治療をしてもらえる、というメリットがあります。
しかし、その一方で、歯科医院側も減ってしまった収入を確保するために、必要もない治療や過剰な治療をしたり、あるいは高額な自費診療を強引に押しっけるといった「競争」による弊害が起こることも少なくありません。
ある事例では、歯周病の治療にサプリメントが必要だと20万円近いサプリメントを売りつけられたという苦情もありました。
サプリメントはたしかに歯周病に効果はありますが、歯科医院で売るべきものではありません。
良質な医療を提供しようとしている歯科医師が生活できなくなり、むしろ派手な広告や過剰治療、詐欺一歩手前のような手法で患者を集めている歯科医院が流行る、
そんなネジレ現象が起きているのも事実なのです。
歯科医院が増えたことによって選択肢が拡がったぶん、患者さんも歯科医院を選ぶのに混乱してしまう現象が起きています。
歯科医院が少なかった頃は、選ぶ範囲が限られていたので、クチコミなり近所の評判がそれなりの選択基準になっていましたが、
これだけ増えてしまうと評価が分散して、なかなかこれといった決め手がなくなってしまうのが現実です。
テレビを液晶にするか、プラズマにするかと家電製品を選ぶのとちがって、自分の健康に関わる選択ですから、患者さんにとっては深刻な問題です。
そこで、良質な歯科医師、あるいは歯科医院を選ぶことがますます重要になってきます。
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