正しい噛み合わせが、歯ぎしりで得られる効果を生む
以外に知られていない、歯ぎしりがもたらす効果
歯とストレスには大きな関係があります。
虫歯の痛みなどがあれば、ストレスがあることは誰にもわかりやすい話なのですが、ここでは、噛み合わせそのものがストレスと大きな関係があることを言いたいのです。
それでは、なぜそうなのか考えてみることにしましょう。
人間は生まれたときから、お乳を吸ったり、泣き声をあげるためにアゴの動きができるようになっています。
お腹が減った、おむつが濡れて気持ちが悪い、暑い寒い、こういったストレスを赤ちゃんは口を動かすことで回避しようとしているのです。
では、もう少し大きくなった子供や大人の場合はどうでしょう。
前に紹介したように、歯には、
「身体に力を入れたり集中力を高めるために噛みしめる」
「寝てる間の歯ぎしりでストレスをとる」
といった働きがあります。
スポーツ選手が、力を入れるときに奥歯を噛みしめるのも、集中力を高めるための自然な働きなのです。
現在では、プロスポーツ選手は、身体能力や集中力を高めるために、噛み合わせの治療をすることが常識になってきています。
このことは、噛み合わせの治療をすることで、競技成績が上がるという実証例が多数あることから、スポーツ医学の研究をしている人たちの間でも確かめられています。
どうしてこういうことが起こるのでしょうか?
全身の筋肉というのは、それぞれバラバラな動きをするのではなく、お互いに関連して動いています。
そのため、集中力を高めるときや全身の筋肉が活動するときに、神経回路の重要な通り道のすぐ近くにあるアゴや顔面の筋肉が引き締まるのです。
寝ている間の歯ぎしりも重要です。
歯ぎしりは脳のストレスを解消しているのです。
たとえば、怖いとき、緊張したときなどに、人は全身の筋肉を緊張させて脳へのストレスを発散し、気絶するのを防いでいます。
これと同じように、寝ているときは脳が疲労してストレスがたまっていると、脳の一番近くにある口のまわりの筋肉を緊張させてストレスを発散します。
奥歯をぐっと噛みしめたり、ゴリゴリ動かして、ストレスをやわらげるのです。
これが
歯ぎしりとなるのです。
昼寝をしている猫を見ていると、よくわかります。
うたた寝できちんと坐ってうとうとしているときには歯ぎしりはしませんが、
ぐったりと横になって寝ているときには、身体は寝ていても脳が働いている状態になっていて、目玉がぐるぐる回ったり口がごにょごにょ動きます。
そのとき、歯ぎしりをして、ストレス・マネージメントをしているのです。
人間にも同じことが起こります。
つまり、適度な歯ぎしりは、脳のストレスをとるために必要なのです。
このように、
「身体に力を入れたり集中力を高めるために噛みしめる」
「寝てる間の歯ぎしりでストレスをとる」
といった重要な役割を歯はもっているのですが、噛み合わせが悪いと逆効果になります。
噛み合わせが悪いために、歯やアゴの骨、そしてアゴ関節や筋肉、神経などさまざまな部分に余分な力がかかったり、逆に力がかかる部分から力が抜けてしまったりしてしまいます。
すると、集中するために歯を噛みしめているのに、かえって違和感のために気が散って集中できなくなってしまいます。
また、ストレスを解消するために行なっている歯ぎしりが、かえってストレスを大きくしてしまう原因となってしまうのです。
噛み合わせは、子供たちがストレスを上手に解消するためにも大切になってくるのです。
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