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アゴ関節症と不定愁訴
噛み合わせの不正によってアゴ関節が炎症を起こしていても、ある程度までは生体調節機能によって耐えようとします。
口が閉じなくなる、アゴがカクカクと鳴る、アゴが痛い、などの自覚症状が出るまでは、アゴ関節の機能障害が起こっていてもほとんどの場合は、気がつきません。
そのため、原因不明の頭痛やめまい、首や肩がパンパンに張るといった症状が出ても、アゴ関節症だと考える人はほとんどいません。
大人でもこういった原因不明の不定愁訴は、とても大きなストレスになります。
ましてや、タダでさえ精神的に不安定な子供にとっては、それは大きな問題となります。
身体の機能障害なのに、集中力が足りない、やる気がない、などと気持ちのたるみとして片づけられてしまえば、
子供はいっそう大きなストレスを感じて、学業不振や登校拒否などにつながりかねません。
カテゴリー:アゴ関節症
アゴ関節の重要性と複雑な動き
アゴ関節と噛み合わせは密接に関係します。
それでは、不正な噛み合わせが原因で、ここ十年ほどで子供の間にも急増しているアゴ関節症について、見ていくことにします。
まず、アゴ関節について簡単にその構造と働きを説明しましょう。
骨格から見ると、アゴ関節は下アゴの骨と上アゴの骨(と側頭骨)が組み合わさっています。
そして、関節のところには、下アゴの骨がスムースに動くように、関節円板というものがはさまっています。
この関節円板には、骨があたるときの衝撃吸収と、アゴの複雑な動きを調整する働きがあります。
この上下のアゴの骨は、頭部の骨(頬骨や側頭骨など小さな骨がたくさん組み合わさってできています)や頸椎という身体のなかでもとくに重要な部分とつながっています。
このアゴの関節は、身体のほかの関節がもっている回転という動きのほかに、滑走という動きと組み合わせて運動します。
例えば、ひじ関節なら、腕を伸ばしたり曲げたりする回転の動きだけです。
一方、アゴの関節は、口を開けたり閉じたりの動きだけでなく、前に突き出したり後ろに引っ込めたり、また噛むための微妙な横の動きなどもすることができます。
話すときのいろんな発音をするための複雑な動きができるのも、回転という動きに滑走という動きが組み合わされているからです。
イメージとしては、関節部位に「遊び」があり、その「遊び」の部分を微妙に滑らせながら回転運動をすると思ってもらえばわかりやすいかもしれません。
そして、その関節を動かす筋肉は嘆筋をはじめ多くの筋肉が働いています。
顔や頭部ではさまざまな表情をつくるために口のまわりや眼のまわり、側頭部や首の筋肉などがお互いに関連して動いています。
このことがよくわかるには、実際に顔や側頭部を触りながら口をいろんな具合に動かしてみれば確かめられます。
アゴ関節が動くことによって、多くの筋肉が働いていることがわかるでしょう。
こうした、関節部の構造がアゴ関節の複雑な動きを可能にするのです。
さて、アゴ関節の仕組みがわかったところで、噛み合わせの不正によって起こされるアゴ関節症にお話を戻しましょう。
アゴ関節症は、説明したようにとても微妙で複雑な動きをするアゴ関節に起こる症状です。
アゴ関節は、生まれてすぐの赤ちゃんのころから一生動き続けています。
また、食べ物を食べたり、話をしたりするために毎日何百回何千回という頻度で、複雑でしかも大きな力がかかる動きをしています。
そのために、非常に丈夫にできており、多少のズレは自然と調整できるようになっています。
しかし、奥歯による持ち上がりによって不正な噛み合わせが起こると、この丈夫で複雑なアゴ関節もズレに耐えられなくなります。
噛むためにアゴ関節は三級のてこを使い、作用点で大きな力が働くようになっています。
持ち上がりによって、不正な噛み合わせが起こると、その大きな力がアゴ関節にズレとしてそのままかかってきてしまうのです。
おまけに、ふつうの生活をしているだけでも、炎症を起こした関節に、噛む動作や話す動作によって不正な力がかかり続けるために、ズレはどんどん大きくなってしまうのです。-----
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矯正治療とともにアゴ関節の改善も
ガタガタになった歯並びは、外観上の問題だけではなく、身体全体に悪影響があることがおわかりいただけだと思います。
子供や大人の不定愁訴(原因不明の体調不良)のうち、何割かは噛み合わせの不正による大きなストレスが関係していると考えられます。
この大きなストレスを取り除くには、子供とともに親が正しい知識をもつことが大事です。
学校検診で出っ歯や受け口の診断が行なわれているのは、美男美女にすることを目的にしているとは思われません。
学業や生活全般への悪影響を取り除くために実施されているはずです。
人生にとって健康がすべてではありませんが、健康は幸福のカギの一つになります。
アゴ関節症は、今まであまり知られていませんでした。
そのため、不幸なことに、アゴ関節症の子供たちは、元気がない・やる気がないという風に、子供の人格そのものに問題があるとされてきました。
より良い治療によって、身体の不調を改善することが可能になれば、こうした子供たちはどんなに救われるでしょうか。
歯並びや噛み合わせの悪い子供が増えてきているからこそ、矯正治療の必要性も高まってきています。
歯並びや噛み合わせとともに、アゴ関節の機能を重視した最新の治療法を保護者のみなさまにぜひご理解いただきたいと思ってやみません。
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アゴの成長と永久歯のバランス
食習慣の変化によって、子供のアゴが急激に小さくほっそりなってきています。
この、アゴが小さくなってきたことが、歯並びや噛み合わせが悪くなってきている一番の原因となっています。
みなさんご存知のように、人は赤ちゃんのころから生え出す乳歯が三歳ごろにはそろって、六歳ごろからは永久歯が順番に生えてきます。
この順番は、遺伝子によって決められていて、人が生きていくうえで必要度の高いものから生えてくると考えられています。
そのなかで、最初に生えてくるのが六歳臼歯と呼ばれている乳臼歯の奥から生えてくる歯です。
この歯は、しっかりと食べたものを噛みつぶす役割をもっていて、消化のためにとても重要なので一番最初に生えてきます。
この六歳臼歯が生えてくるときに、アゴがしっかりと成長していないと問題が起こるのです。
アゴの成長が悪く奥行きが足りないと、六歳臼歯がまっすぐに生えることができません。
乳歯の奥歯が邪魔になって、生えてこようとする六歳臼歯に根っこの部分を押されてしまいます。
斜め後ろから生えてこようとする六歳臼歯に押されて、乳臼歯は前の方に徐々に傾いていきます。
乳臼歯が前に押されて傾いてしまうと、まだ顔を出していない状態の、次に生えてくる永久歯(小臼歯)も同じように傾いてきます。
同じように奥の歯が隣の歯を少しずつ斜め前に押していくことになります。
十年ほど前までは、六歳臼歯の一つ奥の歯、つまり十二歳臼歯が生えてくるときに六歳臼歯が前に押し出されて傾き、歯並びや噛み合わせが悪くなる早期の原因の一つになっていました。
十年ほど前には、六歳臼歯が生えるスペースがとれるぐらいには、まだアゴは成長していたようですが、もう一つ奥の十二歳臼歯が生えるほどは成長していなかった、ということです。
そのため、十二歳からの数年間に歯並びや噛み合わせについて問題が出ていたようですが、現在では六歳ぐらいからと非常に低年齢化してきているようです。
六歳臼歯が傾いて生えてくるのに十分なスペースがないアゴの小さな子供は、十二歳臼歯が生えてくると、いっそう歯並びや噛み合わせの狂いが大きくなってきます。
矯正歯科の診察を一度受けることをお勧めするのは、歯並びや噛み合わせの狂いが、
低年齢(六歳ぐらい)から進行してきている
症状が深刻で、アゴ関節症にまで進行してしまうケースが増えてきているからなのです。-----
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