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出産、更年期は歯がもろくなる
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「歯にガタがくる」年齢
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歯周病は生活習慣病
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歯周病は感染症の一つ
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歯周病の発生原因
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歯周病と中国医学
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歯周病にならない為には
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歯周病治療の基本知識
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歯周病になりにくい人
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食後、すぐの歯磨きが歯周病予防につながる
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歯肉の色
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歯ぎしりがある人は歯周病になりやすい
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歯周病が引き起こす、様々な症状
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歯周病は「骨」をむしばむ
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免疫力低下で歯周病リスク上昇
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歯の老化
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歯を失う原因の半数以上が歯周病
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日本人は歯が弱い
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口腔ケアグッズ:その他
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歯間ブラシ
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デンタルフロス
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ワンタフトブラシ
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歯周病について
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口臭と歯周病
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歯周病治療に、漢方うがい薬
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歯ブラシ選びのコツ
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歯周病が引き起こす病気:動脈硬化
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歯周病が引き起こす病気
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歯周病の三大原因
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最新の歯周病治療:レーザー治療
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歯周予防は、老後の健康的な生活に大切
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タバコを吸う人は、歯周病になりやすい
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免疫力低下が、歯周病の原因
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歯周病菌と戦う免疫反応
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歯周病の原因:肥満
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女性ホルモンを栄養素とする歯周病菌
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悪い咬み合わせが歯周病を引き起こす
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歯周病が引き起こす病気:心内膜炎・誤嚥性肺炎
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歯周病は、妊娠に影響がある
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歯を白くするホワイトニング
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ストレスが原因で歯周病を引き起こす
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歯周病の原因:喫煙・ストレス
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生活習慣の改善で、歯周病予防
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歯周病の原因はかみ合わせの悪さ
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更年期と歯周病
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歯周病の自己チェック
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歯周病の直接な原因は細菌
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歯周病予防に効果のあるブラッシング法
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歯周病は様々な病気を引き起こす
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歯磨き剤と洗口剤
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出産、更年期は歯がもろくなる
女性の場合は、歯周病にかかりやすい時期として、「妊娠出産期」と「更年期」があげられます。
これは女性ホルモンが大きな要因です。
子どもを産んで、歯がガタガタになったという話を開きますが、たしかに妊娠中や出産後に歯周病を発症する人は少なくありません。
妊娠中は、女性ホルモンが増えて、ホルモンバランスが大きく変わります。
じつは、この女性ホルモンは歯周病菌の活力源で、血中の女性ホルモンの増加は、口腔内の菌が増殖するまたとないチャンスなのです。
つわりによる吐き気のために、歯ブラシを口に入れるのにも抵抗を覚える人もいます。
それによって歯のケアがおろそかになり、また、妊娠による歯の治療制限などもあり、妊娠・出産期は、歯にとって悪条件が重なりやすい時期ととらえる必要があります。
妊婦に歯周病があると、早産を誘発し、体重が2500gに満たない低出生体重児を産みやすくなります。
これは歯周病の炎症によって発生するサイトカインという刺激伝達物質が、妊婦の子宮筋を収縮させて出産をうながしてしまうためで、
早産や低出生体重児を産む確率は、通常の7倍にもおよびます。
早産は、赤ちゃんの虚弱体質、知能や運動能力などのあらゆる障害を引き起こすリスクを高めます。
歯周病を治せば、早産の18%は未然に防ぐことができるといわれており、できれば妊娠前に一度歯科で診断を受けて、歯肉の健康状態をチェックするべきです。
お母さんが歯の健康をないがしろにすることは、生まれてくる赤ちゃんを危険にさらすことになるのです。
ホルモンが大きく変わる、もう一つの時期が「更年期」です。
女性ホルモンの一つ、エストロゲンには骨を強化する働きがあります。
エストロゲンが急激に減少する更年期は、骨密度が低下して、歯を支えている歯槽骨にもダメージがおよぶとの説が有力になってきました。
さらに、更年期は、自律神経失調を起こしやすくなります。
それによりからだの免疫力が低下し、歯周病が進行しやすくなります。
もっと日常的な小さな周期では、月経も歯に影響を与えることがあります。
月経前になると、女性ホルモンが増加するため、イライラや腹痛といった症状のほかに、歯肉が腫れたり、出血しやすくなる人がいます。
とくに月経前症候群(PMS)という月経前の体調不良がある人に多いようです。
カテゴリー:歯周病
「歯にガタがくる」年齢
人生には何度かのターニングポイントがあり、そのつど私たちは意識的に、あるいは無意識のうちに人生の道を選んでいます。
歯にもターニングポイントはめぐってきます。
歯の健康は日々のデンタルケアや健康管理が基本となるのはいうまでもありませんが、
さらに、歯やその状況が大きく変わるタイミングを知っておけば、より健康をキープしやすくなります。
たとえば、お母さんの胎内にいるとき、あるいは乳歯の生えはじめ、永久歯が生えたときなどがあてはまりますが、ここでは成人になってからに焦点をしぼってみましょう。
10代や20代前半で歯周病になる人はあまりいません。
例外的に、早期発症型歯周炎といって遺伝的な体質などで若いうちに雁患する人も7〜8%ほどいますが、基本的には若い人には発症しにくい病気です。
その理由の一つは、活発な免疫力にあります。
人間のもつ免疫力は10代中頃から急激に上昇し、20代でもっとも高くなり、30歳ぐらいから少しずつ下降しはじめます。
免疫力が低下することで、これまで抑えつけられていた歯周病菌がはびこるチャンスがめぐってくるわけですが、加齢によって免疫力がちょっと下降ぎみになったからといって、一気に発病するほど、人間のからだはやわにできていません。
ただし、睡眠不足や食事の不節制の積み重ね、不潔な環境、ストレスからくる影響に、これまで以上にダメージを受けやすいからだになることはたしかです。
たとえば、30〜40代になると、疲れがとれにくくなった、ケガが治るのが遅くなったなど体力のおとろえを感じることがあるでしょう。
それはからだが発する一つのシグナル。
若いときと同じレベルの体力であるはずはないのだから、からだの声に耳をすまして、30〜40代以降は生活をシフトしていかなければならない時期なのです。
こうしたシグナルを肌で感じながらも、仕事に追われて、十分に睡眠をとらず、バランスの悪い外食をろくに噛まずに急いでかっこみ、歯も磨かず夜まで働く。
夜は夜で付き合いやストレス解消の名目で飲んで酔っ払って、タバコを吸って、歯も磨かずに寝てしまう。
これらにいくつかでも該当する生活を送っていれば、遅かれ早かれ歯周病をはじめ、あらゆる生活習慣病にかかりやすくなるのは当然です。
このようなからだに負担をかける生活を送りがちなのは、ずばり働きざかりのサラリーマン世代が中心です。
不規則な生活と免疫力の低下が重なりあい、40代以降は歯周病の雁患率が爆発的に急増する世代です。
事実、40代になると、10人に8人の割合で歯周病にかかってしまいます。
カテゴリー:歯周病
歯周病は生活習慣病
歯周病は、歯磨きの不徹底だけが原因で起こる病気ではありません。
その背景には血液の質が悪くなって血管力が落ち、免疫力や代謝が低下している状況が、かならずひそんでいます。
歯周病の治療では、口腔内だけを診て治療をするのではまったくの不十分で、たとえその場では一時的に治癒したとしても、生活習慣が変わらなければ再発します。
歯周病は生活習慣病なのです。
本来の健康を取り戻すには、血液・血管の状態をつぶさに知ることで、体質と生活を改善していく必要があるのです。
健全な血液・血管がいとなまれていれば、万が一、歯周病菌が体内で増えてしまったとしても、免疫力の働きで一掃されて、歯肉には健全な状態に戻ろうとする自然治癒力が働きます。
しかし、十分に血液が届かず、白血球たちと歯周病菌が一進一退の戦いをしていれば、病気は長引き、そのぶんだけ歯周組織は破壊されていきます。
血液のめぐりが悪い、いきおいがない状態を「瘡血」といいます。
瘡血の「瘡」とは、滞っている状態を意味します。
瘡血とは、血液が滞って末端にまで行き届いていない不健康な状態で、あらゆる不調や病気を引き起こす土壌となります。
具体的には、暴飲暴食などで血液によぶんなコレステロールや糖分がたまり、ドロドロになって血のめぐりが悪くなることを瘡血といいます。
また、貧血などの血液成分の欠乏、冷え性、肩こりなどで老廃物がたまって血流が悪い状態、血液中に大量に活性酸素が発生して血液が酸化している状態も、瘡血にあてはまります。
血液の流れが悪くなると、全身の細胞が酸欠や栄養不足となって衰弱し、ちょっとしたことで病気になりやすくなります。
歯周病は、この瘡血体質の人にとくに多くみられるのです。
外見的、体質的傾向でいえば、大きく分けて2つのタイプがあります。
まず、胃腸が弱くてからだが細く、猫背でお腹がぽっこりと出ているタイプの人。
胃腸の栄養吸収が悪いため、血液の材料となる栄養が不足して貧血ぎみです。
栄養が十分でないために筋肉がしっかり発達せず、胃下垂の傾向があります。
また、全身の筋肉が脆弱なため、姿勢が悪くなりがちです。
血液が足りないうえに血液を送り出す筋力も弱いため、冷え性や肩こり、腰痛を起こしやすく、当然、末端である歯肉の血行も悪くなります。
このタイプはとくに女性に多くみられ、生理不順や重い生理痛をともなうことが多いようです。
もう一つのタイプは、肥満体型で高血圧タイプ。
いわゆるリンゴ体型、メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)といわれる、内臓のまわりに脂肪がたっぷりたまった状態です。
暴飲暴食やストレスによって、コレステロールなどが血管壁にたまり、血管が肥厚化して柔軟性を失い、毛細血管まで健康な血液がいきわたりません。
こちらは男性に多くみられるタイプで、ED(勃起不全)をともなっていることが少なくありません。
EDというとストレスや精力の問題と思われがちですが、男性器は海綿状の組織に血液がたまることで勃起するようにできています。
つまり、血液の流れが悪いと血流不全を起こして、勃起不全につながるのです。
さらに付け加えるならば、精神的ストレスなどで自律神経を失調している人にも、瘡血が起こることがあります。
血管は神経といっしょに走行しているので、自律神経の調子が悪くなると、血流にその影響がおよぶのです。
血液の状態は日々、刻々と変わっています。
1週間前には健全であっても、その後の生活や食生活、ストレスなどによってまるっきり変貌してしまっていることもあります。
病院や検査機関に足を運ばないかぎり、血液成分の状態は知ることができません。
しかし、毎日の体調からでも血液の状態は推しはかることができます。
血液のめぐりが悪くなる瘡血が生じると、それだけ歯周組織の血流にも影響します。
カテゴリー:歯周病
歯周病は感染症の一つ
歯周病は感染症の一つです。
もっと身近でわかりやすいところでは、風邪なども同じく感染症の仲間です。
私たちが風邪ウイルスに感染しないためには、どうしたらよいでしょう。
それには、ご存じのとおり、風邪にかかっている人との接触を避けるなどして風邪ウイルスから物理的に離れることと、
栄養や睡眠をとって風邪ウイルスに負けない免疫力をもつ二方向からの対策が肝要になってきます。
歯周病でも同じことがいえます。
歯周病にならないためには、徹底した歯磨きで歯周病菌を口の中に増やさないこと、
そして、生活習慣を改善してからだ自体の免疫力を強化することが予防の重要なキーポイントとなります。
歯周病にしても、風邪にしても、がんや生活習慣痛に関しても、防ぐ手立ては「免疫力」ということがよくいわれます。
しかし、免疫力とは一体なんでしょうか。
消化は胃腸、呼吸は鼻や肺というように、免疫は特定の臓器や器官で一手に引き受けられているものでもありません。
近頃、健康ブームでなにかと登場することの多い「免疫力」という言葉ですが、体内のどういう状態をもって免疫力の高い、低いをいうのか、じつはあまりよくわかっていない人が多いのが実状ではないかと思います。
健康を害する外界からの異物は、からだのどこからでも侵入しえます。
鼻や口といった開口部のみならず、皮膚表面から入り込むこともあります。
あるいは、口から取り入れた食べ物の中にひそんでいるかもしれません。
がんのように体内の細胞が突然変異して、自分自身の細胞が異物となってしまうこともあります。
つまり、免疫力は、全身隙間なく張りめぐらされていないと意味がありません。
全身を休みなくパトロールすることができて、「からだにとっての異物を見抜き、攻撃する」この働きを担うことができるのは、血液にほかなりません。
血管を介して血液の中にある白血球、つまりマクロファージや好中球、T細胞といった免疫細胞が全身の細胞にしっかり届く。
また、栄養と酸素が届けられて、外敵に負けない丈夫な細胞が養われる、それがきちんとできているからだが、「免疫力が高い」ということなのです。
カテゴリー:歯周病
歯周病の発生原因
中国医学における「全身診断」とは、五臓を中心にしておこなわれます。
五臓とは、肝、心、牌、肺、腎の5つの内臓機能のことです。これらは現代医学でいう内臓に近いものです。
肝は血液を浄化してたくわえ、心は血液を全身に循環させ、精神・神経作用とも関連します。
牌とは消化器官のことで、飲食物を消化して吸収する役割を負います。
肺は呼吸器官で、酸素と気を全身にめぐらせる働きがあります。
最後に腎は、水分の調節、生殖と成長という生命エネルギーをつかさどり、骨や骨髄を養います。
五臓はそれぞれ協力しあったり、抑制しあったりしながら、一体となってからだの生命活動をおこなっています。
中国医学では、これらの内臓機能のどこが弱っているかを診断します。
五臓は孤立した存在ではなく、たがいにつながりがあるため、一つの内臓だけが不調ということはなく、ほかの臓器にも影響をおよぼしています。
また、人体の生命活動を維持する基本要素についても診断します。
基本要素とは、気、血、津液(水分)のこと。
気の流れや、血液の健康状態、水分量や水分のめぐりなどについて診断をおこないます。
中国医学では五臓や気、血、津液の状態を診断するのに「四診」という方法をとります。
患者さんの全身や顔、姿勢などを観察する「望診」、
声の張りやセキの有無を聞き、口臭や排泄物の臭いを診る「問診」、
患者さんに体調や体質を聞く「問診」、
脈をとったり、患部に触れる「切診」の4つの診断です。
ここから得た情報をもとに、患者さんの体質や病状を見きわめていきます。
このことを「弁証論治(証拠を検討して、治す方法を論ずる)」と呼んでいます。
それでは歯周病を全身との関係からみたとき、中国医学ではどのように考えるのでしょうか。
まず、歯周病の発生段階を迫ってみましょう。
歯周病菌の感染に始まり、それにともなって歯肉で炎症が起き、進むとついには骨を破壊します。
さらに全身では、感染と前後して血液の状態が悪くなり、瘡血状態となっています。
大きく分けると、からだでは『免疫力低下』『炎症』『骨の破壊』『瘡血』が起こっています。
『免疫力』を維持するリンパ球は、骨髄からつくられます。
また、骨髄は、『骨』を養う器官でもあります。
中国医学では、骨・骨髄は「腎」に属すると考えます。
つまり、免疫力低下と骨の減少が起こる歯周病は「腎の機能低下」と関係するのです。
腎は、老化とひじょうに関連の深い臓腑です。
先ほど、腎は水分調節、生殖と成長という生命エネルギーをつかさどり、骨や骨髄を養うと説明しました。
からだの乾燥、尿の不調、生殖器のおとろえ、骨租髭症 - たしかに、老化にともなう不調はどれも腎と関連して起きています。
また、中国医学では、口や歯肉は、牌(胃などの消化器)の一部と考えています。
胃炎があると口の中が荒れるように、消化器の症状は口に出やすいのです。
その口腔内に『炎症』があるということは、牌が過剰な熱をおびていることを意味します。
さらに、全身をみれば、『瘡血』という血が汚れて滞った状態があります。
歯周病の治療に用いられる漢方は「補腎剤」が中心になります。
よく用いられるのは『六昧地黄丸』です。
熟地黄、山菜英、山薬、牡丹皮、茨苓、沢潟の6つの生薬を配合しています。
からだがとくに冷えている人にはこれに附子と桂枝を加えた『八昧地黄丸』が適しています。
さらに、消化器の不調やほてりがあると、熟を取り去る「清熱剤」である『黄連解毒湯』を合わせて処方することがあります。
この処方には、黄連、黄相、黄琴の三黄剤が含まれます。
これらは、からだを冷やすと同時に、強い殺菌力を発揮します。
歯周病は、瘡血体質の人に多くみられる症状です。
歯周病を発症すると、さらに瘡血が進みます。そこで、瘡血を改善する処方も必要になります。
血液の流れをよくする作用が高い生薬は、丹参と紅花の2つです。
これらの生薬をベースに瘡血改善の薬は、『冠元顆粒』という処方です。
狭心症などの特効薬として知られますが、瘡血体質にも高い効果があります。
カテゴリー:歯周病
歯周病と中国医学
歯周病は、口の中だけで起こる病気ではありません。
歯周病による病理はおもに口の中にあらわれますが、
その背景には免疫力低下、老化、自律神経失調、糖尿病など全身状態との関連が出てきます。
口の中だけを診るだけでは、根本の原因が解決されていないので、再発したり、治療が一進「糖尿病治療で血液の状態をよくしていくとともに、歯周病治療で血液中に歯周病菌がはびこらないようにする」
こうすることで、血管力を高いレベルで維持して、糖尿病の合併症を防ぐとともに、歯周病の改善を効果的に進めることができました。
医学を全体から考えると、西洋医学のように、臓器や器官ごとの専門科にて外科手術や診断法を高度化していくことも大切ですが、
患部から視野を拡げて全身の状態を見きわめることが欠かせません。
たとえば、木の根っこに水をやりすぎれば、葉っぱが黄色く変色するように、あるいは、葉っぱを元気にしたいなら根に適量の肥料をやれば効き目があるように、一つの生命体は、それぞれの器官同士が密接にかかわりあいながら、いとなまれています。
こうした考えに立って、古くから人間のからだを全身から診ていたのが中国医学です。
中国医学が教える全身観は、今の西洋医学が不得手とする「全身を診る」ことを補完する合理的な理論と蓄積された知恵があります。
たとえば、糖尿病と歯周病をわずらう患者さんを前にしたとき、診療科を超えて、内科医と歯科医が治療にあたり、さらに全身を診ることを得意とする中国医学医が加わればどうでしょう。
医療は、私達の健康実現のために、もつと有効に役立つことができるはずです。
カテゴリー:歯周病
歯周病にならない為には
歯周病にかからないためには、血管力を強化してからだの免疫力のレベルを高く保ち、歯周病菌の勢力を抑えつけることが肝要です。
その取り組みは、歯の健康にとどまらず、そのまま全身の健康、つまり、アンチエイジングや生活習慣病予防へと直結していきます。
血管力を維持するのに大切なのは、食事、睡眠、運動の3つの生活習慣です。
といっても、特別なことはなにも必要ありません。
昨今は健康志向が高まり、さまざまな健康法やダイエット法、健康食品が巷を賑わしています。
健康への関心が高まることは歓迎すべきことですが、基本的に、私は現在の日本の社会は健康と共存していないと感じています。
血液サラサラやデトックス、アンチエイジング等々、耳ざわりのよい言葉ばかりが独り歩きをして、
また、それらは一部の食品や特定の方法でしか実現できないような風潮が生まれ、本当の健康の原理・原則がまだまだ意識に浸透していないように感じられます。
その原理とは、バランスのよい食生活に、ほどよい運動と睡眠。
この3つの生活習慣が健康のベースとなります。
もちろんこれらの基本ができたうえで、外食やストレスからくる生活習慣のアンバランス、からだの不調を調整するために、サプリメントや漢方、健康食品など自分なりの健康法を見つけるのはよいことです。
しかし、3つの生活習慣ができていないところに栄養食品や薬をもってきたところで、それはただの厚塗りでしかなく、根本は改善されません。
そこが健康について考えるときに外してはならない大切な要所なのです。
「歯科」というと、歯を削ったり詰めたり、あるいは歯並びをよくしたり、歯周病になったら膿をかき出したり、、多くの人は、外科的な施術だけをする医療機関ととらえられていると思います。
歯科医側にもそのように考える人が少なくありません。
しかし、とくに歯周病に関しては、外科的なケアだけでは予防にはつながりませんし、生活習慣が変わらなければ、かならずまた再発します。
歯周病と全身疾患との因果関係があきらかにされている以上、歯科医といえども、患者さんの体質や体調を見きわめて治療や健康管理にあたらなければいけないと実感しています。
歯科医は、もっと患者さんの全身について知る必要があります。
からだのことを知らなければ、歯周病は治りませんし、なくならないのです。
それには歯科医が患者さんのからだの状態も診察できて、適切なアドバイスや治療ができることが不可欠となります。
しかし、いくら歯科医が熱心に指導や治療をしたところで、患者さん側の心がけがなければ、やはり歯周病は治りません。
最終的には、患者さんの意識改革にかかっているのです。
そのために、健康な生活とはなにかということについて、きちんと正しい認識をもつ必要があります。
カテゴリー:歯周病
歯周病治療の基本知識
治療を始める前に、歯周病を引き起こすリスクファクターとなる健康状態や食生活、生活習慣などをお聞きし、患者さんの全体像を把握します。
次に歯周組織を精査して、歯周病の進行程度、噛み合わせ、歯の欠損や不適合な補綴物(冠、ブリッジ、義歯など)をチェックして、そのうえで治療計画を立てます。
治療の回数は程度によって異なります。
最低でも3回、重くなるとさらに数回、完全に治癒するまでは十数回となります。
治療が長引くほど、暫定的な治療(プロビジョナル・レストレーション)が必要になります。
たとえば、噛み合わせの調整や歯の欠損の補綴のためには、本格的な補綴物ができるまで、一時的に入れる仮歯や仮の義歯が必要となってきます。
これは、見た目や利便性のための単なる「仮」の治療ではありません。
この期間は、将来的に正しい噛み合わせに導いていくためのパイロット(遣先案内)の意味もあります。
つまり、仮歯や仮の義歯であっても、適合をしっかりとチェックする歯科医であることが求められます。
歯周病治療のベースは、「炎症を起こさせている原因を見つけ、それを取り除く」ことにつきます。
炎症を起こす最大の原因はプラークの蓄積で、これを取り除くのは、歯周病の基本的な治療となります。
咬合の不正がある場合は、歯を少しだけ削る「咬合調整」をおこないます。
歯に動揺がある場合は、器具で支えるなどして治療します。
こうした治療でも保存がむずかしい場合は、抜歯をすることもあります。
カテゴリー:歯周病
歯周病になりにくい人
歯周病という病気は、口腔内での症状にとどまらず、全身疾患へいたる危険性をはらんでいます。
さいわいなのは、不可抗力でなってしまう宿命的な病気でもなければ、無差別に降りかかる原因不明の難病でもないことです。
ほとんどの人は、心がけ次第で防ぐことも十分に可能で、かかってしまったとしても根気強くケアと治療を並行すれば、治癒させることもできます。
その意味では、歯周病は生活習慣病の一つで、誤った生活習慣の積み重ねによって生じる病気なのです。
糖尿病、心疾患といった生活習慣病にかかる人の数は、確実に増えています。
大きな病院の待合室はこれらの病気の診察や治療を受ける人たちであふれかえっています。
しかし、最先端の高度な医療技術で治療をほどこしたところで、数年後に同じ病気を再発するという人の数もまた少なくないのです。
それが生活習慣病といわれるゆえんで、いかにたいへんな思いをして高度な治療をしたところで、生活全体を見直していかなければ、本当の意味で完治したとはいえないのです。
だから、歯周病を治したいならば、治療で物理的に患部を治すとともに生活習慣を変えていき、歯周病を予防したいなら、生活習慣を改善して、体質を変えていけばいいのです。
それでは、歯周病にならない人は、どこがちがうのでしょうか。
ひとことでいえば、それは「免疫力」の差です。
同じように歯磨きをしていても、「歯周病になる人と、ならない人がいる」ちがいを突き詰めれば、それは免疫力の差から生じているのです。
早いうちに歯周病菌がおよぼす全身への害を知れば、「自分は歯周病にならないようにしよう」と多くの人は心に決めるでしょう。
歯周病はたいてい感染してから、10〜20年の潜伏期間を経て、具体的な症状を発症します。
「日本人の40代以降の8割が歯周病」という事実からわかることは、おそらく歯周病菌の感染自体はだいたい20〜30代のときにすでに起きているということです。
つまり、ほとんどの人は若いうちに歯周病菌に感染してしまっているのです。
歯周病はまったく進行しない静止期間と、階段をかけ上がるように急速に悪化する期間を繰り返し、進行していきます。
進行しない静止期間は、免疫力がよく働いていて、菌の活動性が低いときです。
悪化の階段をのぼるタイミングは、免疫力が低下したときです。
つまり、免疫力を一定に保つ努力をすれば、歯周病の進行は抑えることが可能です。
歯周病にならないためには、免疫力を保持する生活や歯磨きなどのデンタルケアによって静止期間をなるべく長くして、免疫力が落ちる悪化期間を呼び込まないことが大切です。
上手にコントロールしつつ、高い免疫力を維持すればそのまま生涯、歯周病の具体的な症状を発症させないことも不可能ではありません。
おそらく多くの人は、すでに歯周病が発症する萌芽をもっています。
これから大切なことは、自己コントロールでそれ以上進めない、悪化を食い止めることです。
そのための大きな武器となるのが「免疫力」なのです。
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食後、すぐの歯磨きが歯周病予防につながる
歯磨きは1日3回、食後20分以内に磨きましょう。
1ヶ所につき20〜30回ほど磨くのがめやすです。
最近の研究からは、プラークが定着するのは24時間後だから、最低でも夜に1回しっかり磨けばいいという説もでてきました。
百歩譲って、虫歯予防の観点からはそれでよいとしても、歯周病予防を考えると、歯周病菌が増殖しやすい状態をいたずらに長くするのは、やはり好ましくありません。
歯周病を予防したいのなら、食後毎回きちんと磨くことです。
間食をする習慣がある人は、面倒でも、そのあとも磨くようにするべきです。
「会社では磨けない」「磨くヒマがないんです」などという方もいるでしょう。
しかし、歯ブラシ1本ポケットに入っていればいいのですから、トイレに立ち寄るぐらいの余裕がある状態ならば、磨けないなんてことはないはずです。
それは磨かない理由をつくっているだけで、どうしても磨けない!なんてことは、実際はほとんどないのです。
1時間後に磨くより、20分以内に磨いたほうが、同じ手間ヒマでも効果が歴然とちがいます。
どうせ磨かなければならないのだったら、さっさと磨いてしまいましょう。
これまで食事のたびに磨く習慣がなかったという人は、とりあえず3日間、食後かならず徹底して磨くことを実践してみてください。
さらに、歯磨き前後に、歯を舌で触る習慣をっけたらどうでしょう。
磨いたあとのツルツル感はなんともいえず快適なはずです。
口の中の不快な臭いがなくなり、いつもツルッルの歯が当たり前になると、むしろ磨かずには落ち着かなくなります。
カテゴリー:歯周病
歯肉の色
自分の歯肉の健康状態を知るのに、わかりやすいのが「歯肉の色」です。
歯肉の色は顔色と同じです。
顔色が体調を知る所見の第一歩となるように、歯肉の健康は、歯肉の色に如実にあらわれます。
歯肉内部には、毛細血管がたくさん集まっています。
この毛細血管は、歯や歯周組織に酸素や栄養を届け、老廃物を運び出すライフラインです。
健康な歯肉ならば、新鮮な赤い血液がスムーズに運行し、粘膜を通して薄ピンク色にみえます。
ここに緊急事態が起こるのは、有害な歯周病菌が歯肉に侵入したときです。
からだは異常を感知すると、毛細血管を自動的に拡張させて歯肉に大量の血液を送り込みます。
体内に侵入しようとしている敵を排除するために、血液成分の軍団が必要だからです。
その軍団とは、マクロファージや好中球といった白血球のグループです。
歯周病菌の侵入現場では、血管がわずかに開いて、そこから好中球やマクロファージが外に出てきます。
これが異物(非自己)を排する自己防衛のはじまりです。
この働きは、生まれつきそなわっている機能なので「自然免疫」と呼ばれています。
最初に出ていくのは、好中球で、とにかくがむしゃらに敵を食べる免疫細胞です。
次に続くマクロファージよりずっと数が多く、異物をひたすら食べつづけることで、からだを守ってくれます。
続いて登場するマクロファージも、異物を発見するとモグモグと食べてしまう大飯食らいの細胞です。
しかし、マクロファージの真の目的は別にあります。
マクロファージは敵を食べることで、敵の弱点や特徴を分析して、その情報を免疫をつかさどる胸腺細胞(T細胞)に伝えるのです。
マクロファージから「敵侵入」の報告を受けたT細胞は、敵に対抗しうる抗体をつくりはじめます。
このように抗体をつくる一連の働きは、その時々の環境や状況に応じた免疫力をみずから生み出していくことなので、「獲得免疫」と呼ばれます。
マクロファージや好中球がこうした戦いを繰り広げているときは、歯肉に血液成分が大量に送り込まれています。
このため、歯肉炎といわれる炎症状態になり、歯肉は赤みをおびてみえます。
いずれ抗体が完成して、次からくる歯周病菌をどんどんやっつけてくれれば、炎症は治まり一件落着といいたいところですが、じつは、そうすんなりと簡単にはすまされない事情があります。
マクロファージは有毒な歯周病菌を食べ尽してくれる婁な免疫細胞ですが、これまでにも述べたように、歯周病の炎症という刺激によって骨を破壊する細胞に変貌してしまう細胞でもあるのです。
さらに、マクロファージや好中球が戦うたびに、大量の活性酸素が生まれます。
つまり、マクロファージは、歯周病菌をやっつける代わりに歯槽骨や歯肉細胞も破壊してしまう、諸刃の剣でもあるのです。
だから、ちょっとでも赤くなった時点で、歯を清潔にする、からだの免疫力を高めるなどの対策をとって早急に炎症を抑えなければなりません。
歯周病菌との戦いが長引くほど、歯肉は焦土となり、歯槽骨のスカスカ化が進み、敵味方問わず死骸が累々と積み重なります。
このとき、歯肉は紫色に変わっています。
歯槽骨がスカスカになったぶん、そこに死骸や老廃物、体液成分などからなる膿がたまっているためで、見た目もブヨブヨとしてきます。
歯肉を触ってみてください。
硬い骨に当たるような感触があるなら、歯槽骨がしっかりとしている証拠。
歯槽骨がスカスカになった歯肉は、触ると硬い骨が感じられず、たよりない感触で、水分を含んだスポンジのように水っぽくなっています。
歯周病はあきらかな自覚症状がなく、自分が気づかぬうちに進行して突然、出血や膿などの症状が出てくる病気と思われがちですが、
毎日の歯磨きのときにでも、歯肉をニュッと出して、色を見て、指で触ってみれば、自分でもその健康状態がチェックできます。
薄いピンク色をしているならば、健康。赤みをおびているように感じたら、しっかり歯磨きをして2〜3日ようすをみましょう。
炎症が起きていること自体は免疫機能が正常に働いている証拠なので、口の中を清潔にし、栄養と睡眠をよくとることで、元のピンク色に回復することもあります。
しかし、赤みが長引くようだったら、歯科医へ行って診察を受けましょう。
また、紫色ならば、早急に手を打たねばなりません。
歯槽骨は一度減ったら、元に戻らない組織だからです。
先送りにすればするほど、自分のからだを痛めつけることになります。
炎症が軽度であれば、先の尖った特殊な器具でプラークや歯石を削りとるスケーリングという治療をおこなうことで、歯肉は回復します。
噛み合わせなどが原因で歯周病を悪化させている場合は、歯を削るなどして噛み合わせを調整します。
炎症が進んでいる場合は、歯肉内部の根面付着物を取り除く作業がおこなわれます。
根面付着物とは、歯根にとりついたプラークや歯石が頑固にこびりついた状態で、ちょっとやそっとではとれません。
麻酔をかけてスケーラーという特殊な器具を歯と歯肉の間に挿入し、削りとります。
これをルート・プレーニングといいます。
さらに歯周病が悪化している場合は、歯肉を開いて歯槽骨にたまった歯石や不良肉芽をとるなど外科的治療がおこなわれます。
歯周病になったとき、その治療にかかる時間は、症状や人によってちがいます。
軽いうちなら3回程度の通院ですむこともありますし、重い症状ならば何度も通ってもらい、長い時間をかけて治療を進めることもあります。
虫歯治療なら、患者さんはただ診療台に座って目をつぶって、歯科医に身を任せておけば治ります。
一方、歯周病治療の場合、「歯科医が半分、自己ケアが半分」なのです。
正しいデンタルケアと健康管理、そして治療、この3つがそろってはじめて完治します。
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歯ぎしりがある人は歯周病になりやすい
土に立てた杭を抜くときは、上にぐいっと引っぱるよりも、左右に揺さぶりながら引き上げると、たやすく抜くことができます。
横方向に揺さぶりをかけることを「ジグリング」といいますが、歯ぎしりは上からの圧力に加え、横方向への揺さぶりを歯に与えていることになります。
歯ぎしりは、睡眠中の無意識のときに起こります。
このときの噛む力は食事時の噛む力の数倍の強さで、数分から数十分にわたってギシギシと横方向にこすれあいます。
これがもっとも多い歯ぎしりのパターンで、歯にはたいへんな負担となります。
こうした歯ぎしりのある歯をレントゲンでみると、歯と歯槽骨の間が広がり、歯の根元から歯根の先に向かってえぐれたように骨が破壊されています。
ほかにも、上下の歯をギュッと強く噛みしめた状態の歯ぎしりもあります。
音はありませんが、これも歯ぎしりにあてはまります。
また、上下の歯をカチカチとぶつけあう歯ぎしりもあります。
いずれにせよ、歯ぎしりは歯のエナメル質を磨耗させ、歯根膜を破壊して、歯の根元にまで影響をおよぼします。
その結果、岐合性外傷を引き起こし、歯根膜を破壊して歯肉に炎症を起こします。
歯ぎしりをしているときは、全身が緊張した状態にあります。
これは交感神経が優位になって、無意識のうちに咀嚼筋に力が入っている状態です。
その原因としては、全身のゆがみからくる筋肉のこわばり、心身の疲労、ストレスなどがいわれています。
「歯を食いしばって耐える」「歯噛みして悔しがる」
などという言葉があるように、歯ぎしりはとくに心身のストレスが大きいともいわれています。
また、不正岐合や歯の生え替わり時期なども、歯ぎしりの原因となります。
ときとして原因不明であることも少なくありません。
歯ぎしりを物理的に予防するグッズとして一般的なのは、リラクゼーション・スプリントという器具です。
口の中の状態や歯並びに合わせて調整するマウスピースで、上下の歯に2〜3ミリの隙間をつくるとともに、あごの筋肉をリラックスさせ、歯を守る効果があります。
これは岐合を専門とする歯科でつくることができます。
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歯周病が引き起こす、様々な症状
「歯周病はからだに悪い」
「歯周病菌は体内に侵入する」
ことはなんとなく知っていても、どの程度の被害がおよぶのか、いのちにかかわる病気を引き起こすのか、きちんと把握している人はまだ多くないようです。
歯周病菌の破壊力は、歯周組織だけにとどまりません。
歯肉の毛細血管から血液中に入り込むと、全身各部へどんどん進出していきます。
最近の研究で、それがさまざまな病気の原因となっていることがようやくわかってきました。
皮膚や粘膜のガードがくずれて、微生物が血管内に入り込んだ状態を「菌血症」といいます。
これが全身にまわって命にかかわるような重篤な症状が出てくると「敗血症」と呼ばれます。
歯周病菌はこれと同じことをからだで起こします。
歯周病が進行するにつれ、口の中だけで起きていたことが血液を通じて、全身へと拡がってしまうのです。
血液に入った歯周病菌は、血管を傷つけます。
このことが要因となって、動脈硬化、心疾患、あるいは、糖尿病の悪化、低体重児出産、胃潰瘍などの原因をつくります。
歯周病を歯の病気、口腔内の病気ととらえるのでは足りません。
歯周病は「血管の病気」なのです。
全身にくまなく張りめぐらされた血管は、からだの重要なライフラインです。
たかが歯周病と甘くみて放置していると、全身をむしばむ病気にいたるのです。
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歯周病は「骨」をむしばむ
歯周病がさらに深く進むと、歯肉はまるで潰瘍を起こしたようにジュクジュクになっていきます。
潰瘍とは、からだをおおう粘膜が破壊されて、内部が露出した無防備な状態です。
この状態になると、歯肉炎から本格的な歯周病へと進行しているといえます。
「歯周ポケット」という言葉を耳にしたことはないでしょうか?
歯肉は粘膜組織で、表面は上皮細胞におおわれています。
歯肉と歯をくっつけているのは、「接合上皮」という特殊な細胞の集まりです。
この細胞は粘着性のある半接着斑という特殊なタンパクをもち、それが「ノリ」の役目をはたし、ペタリと歯にくっついています。
ところが、歯周病菌による炎症が起こると、そこからある種の酵素が出てきます。
この酵素によって、粘着性のあるタンパクが分解されてしまいます。
すると、歯にくっついていた上皮が剥がれ、隙間ができてしまうのです。
その隙間が「歯周ポケット」と呼ばれるものです。
歯周ポケットは、歯周病菌にとって理想郷ともいえる場所です。
歯周病菌が増殖するのに必要とする生活条件は、栄養と水分があって、適度に温かくて、酸素がないこと(嫌気性)です。
口の中は生温かくて、歯周ポケットにはたえず食べ物のカスが入り込みます。
さらに、歯周ポケットは、奥にいくほど酸素が減ってきます。
歯周ポケットが深くなればなるほど、酸素を必要とする虫歯菌や善玉に近い菌がしだいに減少し、歯周病菌の独壇場となるのです。
そこに歯周病菌が増殖すると、からだは異物の侵入を防ぐため、白血球で応戦します。
歯周病菌と白血球が激しくやりあうことで、歯肉に炎症が起こります。
歯周病菌の勢力がまさると、いよいよ歯を支えている歯槽骨という骨組織にまでその被害がおよんできます。
そもそも骨は無機質のかたまりではなく、新陳代謝を繰り返し、つねに生まれ変わる組織です。
骨の内部では、骨を生み出す骨芽細胞と、骨を壊す破骨細胞が活動しています。
破骨細胞が骨を壊しては、骨芽細胞が骨を補修していくことを繰り返しながら、骨密度はつねに一定に保たれるようにできています。
からだがもつ、バランスを保とうとする妙なる力、これをホメオスターシス(恒常性)といいます。
ところが、歯周病になると破骨細胞が異常に増殖して、本来もっていたホメオスターシスがくずれてしまうのです。
そのメカニズムは解明されていない部分もありますが、現在いわれているのは、歯周病菌からからだを守る白血球の一つ、マクロファージの存在です。
「幹細胞」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
幹細胞とは、あらゆる細胞組織のおおもととなる細胞です(多能性幹細胞)。
神経細胞、血球、内臓、皮膚などに分化しうる細胞で、現在、再生医療など最先端の医療で注目されています。
マクロファージも、破骨細胞も、元は同じ多能性幹細胞からできているのです。
ところが、歯周病の進行過程で、これらの細胞に異常な刺激が続くと、マクロファージとなるべき細胞が誤って破骨細胞に大量に分化してしまい、
その結果、破骨細胞が過剰に産出されてしまうと考えられています。
破骨細胞の過剰な増殖によって歯槽骨の破壊ペースが速まると、歯槽骨はスカスカの線維組織になってしまいます。
こうして歯の土台となる、歯槽骨が失われていくのです。
人のからだは組織にぽっかりと穴ができると、その隙間を埋めようとする働きが起こります。
スカスカになった歯槽骨には未成熟な線維組織(不良肉芽)がつくられ、そこには体液成分や老廃物、細胞の死骸がたまり、ひどくなると膿が出てきます。
昔は歯周病のことを歯槽膿漏といいましたが、それは歯肉から膿が出る現象を示しています。
その臭気は膿漏臭といわれ、歯磨きやマウスウォッシュなどではとうてい隠しきれない強烈な臭さで、人に強い不快感を与えます。
このような状態になったら、歯周病がかなり深刻化しているといえます。
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免疫力低下で歯周病リスク上昇
私たちのからだは日々、つねに細菌やウイルスにさらされています。
それは外の世界にかぎらず、体内にも700種以上の細菌や微生物が寄生しています。
たとえば、お腹の健康をいうとき、腸内菌環境などといいますが、
大腸は善玉菌といわれる乳酸菌から、悪玉菌の大腸菌までありとあらゆる菌の巣窟となっています。
一般的には「善玉菌は正義の味方で、悪玉菌は悪者」と決めつけられがちですが、
悪玉菌も食べ物の分解などに関与しており、かならずしも絶対排除すべき対象ではありません。
ようはバランスが大切で、善玉菌も悪玉菌もほどほどのバランスを保ちながら、仲良く共生しているのが、理想的な状態です。
口の中も、腸内とよく似た環境です。
口腔内に常在する菌は300種ほどあります。
このうち7割ぐらいを善玉菌が占め、残り3割は歯周病菌や虫歯菌などの悪玉菌になります。
これらのバランスがとれている段階では、さほど悪さはしません。
しかし、歯磨きの不徹底や体調不良などで菌のバランスがくずれ、歯周病菌が付着・増殖したときに、トラブルの引き金がひかれます。
歯に付着した細菌や食べカスのかたまりをプラーク(歯垢)といいます。
1mgのプラークの中には、じつに1億以上の細菌が存在しているとされ、このプラークをそのまま放置していれば、さらに増えつづけて、「バイオフィルム」という集合体に変わっていきます。
たとえば、お風呂場やキッチンの排水溝など水まわりの掃除を怠ると、ヌルヌルとした汚れがつくことがありますが、あれも一種のバイオフィルムです。
バイオフィルムは、細菌のコロニー(集落)です。
歯周病菌など無数の細菌がたがいに勢力を競いながら増殖していき、限界まで増えるとたがいにシグナルを出しあい、それ以上増えないように調整していきます。
この頃には、バイオフィルムはまるで一つの要塞都市のようになっています。
多糖体の強固なオブラートで全体をすっぽりと包み、栄養や水分を引き込む供給ルートと、老廃物を排出する下水が整備され、この中で細菌たちはぬくぬくと安住しています。
こうなったら、もう日頃の歯磨きでは、太刀打ちできません。
このバイオフィルムが猛威をふるうのは、さらに口腔内が不潔になったり、体調変化で宿主である人間の免疫力が低下したとき。
優位に戦える状況になると、さらに陣地を拡大しようと増殖したり、毒素を放出しはじめます。
バイオフィルムからは毒素や菌が放出され、いよいよ体内に深く入ろうとすると、それに対抗して歯肉から血液成分が絡み出し、白血球が菌と戦います。
これが「歯肉炎」という炎症状態で、初期の歯周病の前段階です。
さらに、どんどん歯周病菌が増えて、白血球が応戦しきれなければ、歯肉の炎症が進み、深刻な歯周病へと深く足を踏み入れることになります。
つまり、歯周病は「プラークの蓄積」と「免疫力の低下」、2つの条件が重なったとき、発症する危険性がぐんと上昇するのです。
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歯の老化
歯の老化は、歯の磨耗が進むとともに、おもに歯周病の進行、あるいは虫歯が悪化して歯を喪失するなどのかたちで中高年層をおそいます。
10歳前後から30〜40年近く毎日酷使されてきた歯ですから、手入れや注意を怠っていれば、それなりのトラブルに見舞われるのも当然のことでしょう。
とくに、歯周病は中高年以降に目立って増えてきます。
これまで歯になんの問題もなかった人を含め、歯のトラブルを抱える人は齢をとるにえてきます。
目、歯、生殖器、、この3つの部位における老化の兆候で、からだにとってもっとも深刻な影響をおよぼすのが「歯」です。
中高年を迎えると、8割の人が歯周病を発症しているといわれます。
歯周病は、現在の日本で国民病とも呼べるほど、幅広くはびこっている深刻な病気です。
厚生労働省の平成17年歯科疾患実態調査では「歯肉になんらかの異常がある」と診断された人は、40〜50代では平均して約86%にものぼります。
つまり、中高年の8割以上が歯周病とみられる症状をもっているのです。
歯周病は、歯周病菌に感染することによって歯肉に炎症が起きて、歯を支えている歯槽骨が溶けてしまう病気です。
はじめのうちはほとんど自覚症状がなく、歯肉の腫れや痛み、膿漏臭といった具体的症状に気づいたときには、かなり病気が進行しています。
さらに放置すれば、歯槽骨がスカスカになり、屋台骨を失ったブヨブヨの歯肉に歯がかろうじてのっかっている状態。
ちょっとした衝撃で、ゴロッと抜け落ちてしまうこともあります。
50歳以上が歯を失う最大の原因は、この歯周病なのです。
人間の歯は、親知らずをのぞくと28本あります。
毎日おいしくご飯を食べるには、最低20本の歯が必要といわれますが、80代前半の人の歯の平均はわずか8.87本、20本以上の歯がある人は全体の2割程度にすぎません。
歯周病の怖いところは、歯を失うことだけではありません。
本当のおそろしさは、その原因である「歯周病菌」にあります。
歯周病を引き起こす元凶である歯周病菌とは、歯と歯肉のわずかな隙間の奥深くに潜り込む細菌で、体内に入り込むと血液中で増殖して、からだに有害な毒素や酵素を放出し、その影響で血管はひどく傷つきます。
汚染された血液は全身をめぐり、からだの細胞の老化を急速に進めます。
このため、歯周病にかかっている人は、そうでない人に比べて全身の老化が進みやすくなるのです。
さらに、糖尿病や心疾患、肺疾患、早産などあらゆる全身疾患を呼び起こすことがあきらかにされています。
歯周病菌の毒素は歯周組織にとどまらず、全身を支配して、老化を進め、病気を呼び込む大きな要因となるのです。
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歯を失う原因の半数以上が歯周病
歯を失う原因とは、一体なんでしょうか。
二大原因といわれるのは、虫歯と歯周病です。
患者さんや一般の方の中には、虫歯と歯周病を「歯の病気」とひとくくりにしてしまって、その根本的なちがいをはっきりと認識している人はまだまだ少ないようです。
まず第一に、虫歯と歯周病とは原因も症状も異なります。
虫歯の原因菌は、おもにミュータンス連鎖球菌といわれるものです。
虫歯菌は、歯に付着すると酸を出します。
これが歯の表面を溶かして虫歯を引き起こします。
しかし、菌や酸には、からだに有害となるような毒性はありません。
ただし、虫歯が進行して歯の神経を侵した場合は、神経の管を通って歯根の先まで菌が侵入することがあります。
一昔前はこの菌が全身にまわり、敗血症を起こして亡くなる人もいましたが、
現在は有力な抗生剤があるので、こうしたことは食い止めることができます。
一方、歯周病菌(歯周病原菌)は感染すると直接、歯肉から血管内に忍び込み、血液中で増殖し、血管や内臓に定着して毒素を撒き散らします。
歯周病菌は種類が多く、耐性も強いために、抗生剤でもって壊滅させることは容易ではありません。
30代ぐらいまでは歯を失ういちばんの原因は虫歯ですが、40代以降から歯周病による歯の喪失が急増しはじめます。
さらに50歳以上になると、歯を失う原因の半数以上を歯周病が占めるようになります。
歯科の領域では、虫歯については治療技術が進歩し、治療にお金がかかるなどの問題はあるにせよ、かなりの補修をおこなえるレベルまで向上しました。
また、ブリッジ、インプラントなどの補綴物も進歩、改善されてきました。
虫歯になってしまった人は、まず歯の現状と治療法をきちんと説明してくれる歯科医を選ぶこと。
そして、歯科医とじっくり相談して数ある治療法の中で最良のものを選び、根気強く治療していくしかありません。
そして、適切な歯磨き指導を受けて、進行を予防するための最大限の努力をはらうことです。
虫歯に関しては、予防の理論が完全に確立しています。
まず、1日3回、食後20分以内には徹底した歯磨きを励行して、口の中からできるだけ虫歯菌を駆逐すること。
さらに、定期的な歯科でのクリーニング、フッ素コートで歯垢の沈着を物理的に防ぐことです。
歯磨き教育や定期的な歯科検診をもっと徹底すれば、日本人の虫歯催患率を低く抑えることもさほど困難ではありません。
虫歯予防は、やるか、やらないかの世界なのです。
虫歯はデンタルケアをきっちりおこなえば、ちゃんと防ぐことができます。
一方、歯周病は、毎日しっかり歯磨きをしていた人でも発症する可能性がある病気です。
歯周病にかかると、歯肉が腫れ、歯を支える歯槽骨、歯根膜といった組織がスカスカになってしまいます。
虫歯のように問題箇所を削って詰め物をする方法もとれず、なくなったものを補完する方法がありません。
さらに、歯周病の害は歯周組織にとどまりません。
歯周病菌は歯肉から毛細血管に入り込むと、血液を介して全身に運ばれていき、心臓病や糖尿病、肺炎、免疫系疾患といった重い病気を巻き起こしていくのです。
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日本人は歯が弱い
現代の日本人は、ほかの国の方と比べて歯が弱いです。
硬い肉を咀嚼してきた欧米人や黒人の歯がしっかりしているのはある程度、想像がつくところですが、
同じ黄色人種である中国人と比較してみても、日本人よりよっぽどしっかりした歯をもっています。
現代の日本人の歯は全体的にこぢんまりしていて、あごも小さい傾向にあります。
エナメル質が薄く、歯肉も薄い……各国での診療活動をしている私の友人の歯科医は、そんな実感があるそうです。
江戸末期や明治初期の日本人の写真を見ると、あごが張ってしっかりした口元をしています。歯も現代人より、はるかに頑丈に見えます。
この百数十年で、なぜそんなに大きく変化したのでしょうか?
それは、やわらかい食べ物が多い食生活の影響がまず考えられます。
咀嚼回数の少なさは、あごの発達を遅らせ、歯の成長や噛み合わせにも影響をおよぼします。
また、咀嚼が少ないと唾液も十分に分泌されないため、歯に歯垢(プラーク)がつきやすくなります。
日本人の歯の脆弱さは、統計にもはっきりとあらわれています。
1994年の上海市の調査では、30代前半の虫歯経験歯数の平均はわずか2本以下。
一方、日本をみると、93年の大阪府の調査では、30代前半の虫歯経験歯数の平均が14本にもおよんでいます。
こうした統計は、歯科医院の数や歯科検診の有無、衛生観念、食生活などの要素が複雑にからんだうえでの結果ですが、その要因の一つに、日本人の歯の弱さ、虫歯へのなりやすさも含まれると思われます。
歯の質は、食生活の変化や公衆衛生などの社会的要素にも大きく左右されます。
かつての日本人の歯が今よりもっと丈夫だったのは、漬物や豆類、干物など硬いものを多く食べていたということ、甘いものがなかなか食べられなかったことなどの食環境とも深く関係しています。
もちろん、中国にしてもこの先、急速な近代化からくる食生活の変化、一人っ子政策からくる子どもの過保護などで歯質が変わっていく可能性はあります。
もっとも、日本人の虫歯は、歯磨き指導の徹底、意識の向上でかなり減少してきており、小中学生の虫歯数は大幅に低下しています。
対照的に際立ってきているのが、歯周病疾患の深刻さです。
ところが、全体の歯科の傾向としては、ホワイトニングや審美矯正といった外をつくろう方向ばかりに強い関心が集まり、
肝心の歯の健康、歯肉の健康が置き去られている傾向があるように思えます。
予防医学では、体質を知ることが病気やからだの不調を未然に防ぐ大きな手がかりとなります。
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口腔ケアグッズ:その他
水流式口腔洗浄器
ノズルから勢いよく水を噴射させ、その水の勢いで歯間部分の清掃をするという用具です。
歯の間に残った食べカスは取れるでしょうが、歯の面についたプラークを除く効果はほとんどありません。
ブリッジや歯列矯正中の、磨きにくいところの洗浄や、歯肉のマッサージなどにはいいかもしれません。
ただ、価格が高めというのが難点でしょう。
デンタルミラー、探計
見えにくいところをチェックするのに使うミラーです。
とくに、歯垢染め出し剤を使った後、プラークがまだついていることを示す染色部分をチェックするのに役立ちます。
なお、探針は歯の状態をチェックするのに使います。
歯垢染め出し剤
ブラッシング後、きちんとプラークが取れているかどうかをチェックするのに役立ちます。
液状タイプと錠剤タイプ、ジェルタイプのほか、歯磨き剤に色素が含まれていて、みがき残しの部分が赤く染まる染め出し剤もあります。
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歯間ブラシ

歯間ブラシは、ねじった針金にナイロン毛をつけた、円柱形や円すい形の小さなブラシです。
歯と歯の間があいている人や、ブリッジをした人などには使いやすいブラシでしょう。
とくに、年をとってくると、自然に歯茎が落ちてきて、歯と歯の問にすき間ができやすくなります。
歯と歯のすき間にはプラークがつきやすいのですが、ブラッシングだけでは十分に取り除くことができません。
その点、歯間ブラシは、すき間の汚れをうまくかきだすことができます。
歯間があいてくる高齢者の口腔ケアに活用できる用具といえるでしょう。
また、ブリッジの人口歯の下など、ブラッシングしにくいところの食べカスやプラークなども、歯間ブラシならば、じょうずに落とすことができます。
歯間ブラシは、ブラシの大きさにより、SS・S・M・L・LLなどのサイズがあります。
ブラシが小さすぎると、歯のすき間に入れても、歯の面に当たる部分が少なく、食べカスやプラークをうまく取ることができません。
反対に、サイズが大きすぎると、歯の間にブラシを無埋に押し込むことになり、歯や歯肉を傷つけてしまいます。
狭いすき間にゴシゴシと無理にこすり入れることを繰り返しているうちに、歯肉迫綿を起こし、歯間が広がってしまう場合もあります。
歯間ブラシは、歯のすき間の大きさに合ったサイズのものを選ぶことが大切です。
歯間ブラシには、先が細くなった円すい形タイプと、先まで毛の長さが均一の円柱形タイプがあります。
一般的に、ブラシが円すい形のものはすき間が狭い場合に、すき間があいている場合は円柱形のものが使いやすいでしょう。
また、円すい形のものは、すき間に入れやすい分、根元まで押し込みやすく、その点、円柱形のもののほうが、すき間に入れるときにサイズが合っているかどうかがわかりやすいでしょう。
また、何ヶ所も歯のすき間がある人は、それぞれのすき間に合ったサイズのものを使い分けるようにしてください。
使い方は、歯間ブラシの毛先を歯間に入れたら、歯の面にそって、歯肉が傷つかないようにゆっくり数回動かします。
このとき、歯肉をゴシゴシこすらないように気をつけてください。
ブラシを持った手の小指などをあごや頬に固定して操作すると、固定して使いやすいでしょう。
使用後は、歯ブラシと同じように洗います。
ブラシに弾力がなく、ワイヤーが曲がってきたら、取り替えます。
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デンタルフロス

デンタルフロスは、ナイロンや絹でできた糸で、別名糸楊枝とも呼ばれています。
通常のブラッシングだけでは落ちにくい、歯と歯の間の食べカスやプラークを取るのに役立つ用具で、歯間に通して使います。
ブラッシングのあとには、デンタルフロスによる歯と歯の間のケアも、ぜひ習慣づけたいものです。
デンタルフロスは、通りやすいようワックスを塗ったものや、ミントやフルーツフレーバーの香りをつけたものなどが各種市販されており、糸の太さもさまざまです。
使い方でみると、フロスを指に巻きつけて使うタイプと、フロスホルダーに装着して使うタイプなどがあります。
フロスホルダータイプは、40〜50cmに切ったフロスをホルダーに巻きつけて使うものと、ホルダーから必要な分だけ引き出して使用するタイプ、
プラスチックのホルダーにフロスが張ってある使い捨てタイプのものなどがあります。
ホルダーを握って使うので、指で操作するタイプよりも操作が簡単で、デンタルフロスを使い始めた子どもや、高齢者、手の不自由な人などにおすすめでしょう。
フロスを指に巻くタイプの使い方は、フロスを40〜60cmの長さに切り、両手の中指にそれぞれ軽く巻きつけてピンと張り、人差し指と親指でコントロールしながら使用します。
この指巻き法以外に、サークル法という方法もあります。
これは、フロスを輪にして中指・薬指・小指で握り、糸をピンと張って親指と人差し指で調節しながら使います。
フロスの基本的な使い方を紹介しましょう。
まずは、フロスを40〜60cmぐらいの長さに切ります。
両端を指に巻きつけるか、結んで輪にするか、どちらでもかまいません。
次に、糸をピンと張り、歯と歯の間に通していきます。
このとき、ゆっくりと左右にフロスを引きながら、歯肉と歯の間まで下ろしていきましょう。
歯の面にフロスをそわせて、ゆっくりとこすりながら動かしていきます。
1回ごとにフロスのあたる位置は変えてください。
上の歯の場合は親指と人差し指を使いますが、下の歯の場合は、両手とも人差し指で操作します。
使い方に決まりがあるわけではないのですが、この方法だと狭い日の中でもフロスを動かしやすいでしょう。
ぜひ、試してみて下さい。
カテゴリー:歯周病
ワンタフトブラシ

小歯ブラシともいい、柄の先に小さな歯ブラシをつけたものです。
文字どおりone tuft(毛先)のブラシで、とても小さなヘッドをしていますから、歯並びの悪いところや奥歯のケアや、ブリッジやかぶせ物のまわり、矯正装置やインプラントの部分の汚れを落とすのに使いやすいブラシです。
使い方は、ペンを持つように握り、毛先を歯の面に少し押しつけるようにして細かく振動させます。
ゴシゴシこするように強く動かすのは避けましょう。
カテゴリー:歯周病
歯周病について
東洋医学は、全体をみることより始まるといわれます。
全身状態を把握し、支配する精神的な面も考慮に入れて診断します。
ところが、今までの歯科治療では、東洋医学的手法はあまり使われていませんでした。
なぜなら、私たち歯科医は絞った対象だけをみる専門家であり、口腔内に限って治療を行っていたためでした。
しかし、医学の発展とともに、局所的な所見が全身をみる重要なカギとなってきました。
すなわち、東洋医学的視点でみる・・・個々の部位の反応・症状を全身状態の「サイン」として認識するようになってきたのです。
口腔内の病気も単なる口の中に限った病気と思わないで、全身から発している「サイン」と認識すること、人には生来持っている自然治癒力があり(これを自然免疫という)、その力を引き出し、
免疫バランスを整えていくという考え方が、「漢方うがい薬」や「マスティックジェル」の開発につながったのです。
最近の歯科医院では現在、レーザー治療を取り入れながら、一方で漢方うがい薬でケアを図るというように、西洋医学の知恵と東洋医学の経験を合わせた治療を行っていますが、
予防を重視し、自然治癒力を生かす治療は、これからの医学の流れでもあるのです。
ぜひ、当サイトを参考に、歯周病についての正しい知識を得てくださることを期待します。
体の「サイン」を知ることで、身体にやさしい少しばかりの心配りをすること。
それだけでも十分病気を予防できるのです。
そして、あきらめずに、歯科医と二人三脚での治療、とりわけセルフケアに取り組んでください。
カテゴリー:歯周病
舌ブラシ
舌の表面の白くなった部分を舌苔といいます。
舌の表面には、味覚を感じる味膏という器官があり、それを囲むように乳頭という凹凸があります。
舌がザラザラしているのはこの乳頭で、舌苔は乳頭についた菌です。
食べカスが残って菌が増えると、口腔内の環境にはよくありません。
口臭に結びつくこともあることから、最近は若い人の間でも舌ブラシが使われるようになってきています。
しかし、やりすぎはいけません。
あまりゴシゴシやると、かえって舌苔がつきやすくなりますし、
味蕾細胞は非常にデリケートですから、これが破壊されて、味覚がわからなくなってしまう味覚障害にも陥りかねません。
舌苔がある程度ついているぐらいにとどめ、やりすぎないように気をつけましょう。

舌ブラシには、先が扇状になってブラシがついたものや、やはり扇状でヘラがついたタイプなど各種ありますが、ブラシタイプのほうが、刺激が少ないでしょう。
高齢者用に、スポンジや布タイプのものもあります。
カテゴリー:歯周病
歯ぎしりも歯周病の原因になりやすい
寝ている間の歯ぎしりも、歯周組織を刺激して唆合性外傷に結びつくことがあります。
歯ぎしりは、寝ている間に上下の歯をギリギリと強い力でこすり合わせるので、あたる歯がしだいにグラグラしてくることがあります。
歯周組織も刺激を受けますから、歯肉に炎症が起きてしまうことがあるのです。
ただ、歯ぎしりが歯周病に与える影響としては、物理的要因よりも、歯ぎしりをするような心的要因のほうが大きいでしょう。
歯ぎしりをする人は過重なストレスがかかっている場合が多く、それを解放するために行う自然の行為なのですが、
そのストレスの影響で免疫力が低下し、歯周病を発症しやすくするというわけです。
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よく噛んで唾液を分泌
歯周病は、生活習慣を見直すことで、予防・改善できる点が多々あります。
これまでは直接的なデンタルケアを紹介してきましたが、次に間接的なケアを提案します。
毎日の暮らしのなかに取り入れれば、歯周病の予防につながることばかり。ぜひ、続けてみてください。
まず最初は、よくかんで食べること。
よくかむことの効果は、多岐にわたります。
たとえば、よくかむことは脳の血液量を増やし、脳の働きを活性化させ、とくに記憶力が高まります。
逆に、よくかまないでいると、脳の老化が早まるといわれています。
これは、やわらかい食べ物が増えてきた最近の若い人の食生活への警告として、よく耳にする話でしょう。
当然、よくかむことは老化防止に役立ちます。
骨粗しょう症予防にもなるという報告もあります。
高齢者への調査で、よくかむグループとかめないグループとに分け骨量を調べたところ、前者のほうが後者に比べ、明らかに骨量が多いことがわかりました。
その結果、かむことは骨量を保つのに役立つと考えられています。
骨粗しょう症は、女性ホルモンが急に減りだす閉経以降の女性に多い病気ですが、歯周病とも無縁ではありません。
骨粗しょう症になると、歯を支えている歯槽骨がやせてきて、歯はグラグラになり、やがて抜けてしまいます。
よくかんで食べることは、骨粗しょう症予防に、ひいては歯周病の予防にも結びつくのです。
よくかむことは、肥満防止やダイエットにも、効果絶大です。
食事の際、何回もかんでいると、血糖が上昇してきて脳の満腹中枢を刺激します。
その結果、少ない量でおなががいっぱいになったと感じ、食べ過ぎを防ぐことになります。
肥満は、歯周病のリスク因子です。
よくかんで食べ肥満予防に努めることは、歯周病予防にもつながります。
もちろん、かむことは顔の筋肉を鍛えるので、歯と歯周組織を支える力を補強してくれます。
さらに、美容や全身の筋力アップにもよいという指摘もあります。
よくかむことは、顔の表情筋や岨噛筋を鍛え、引き締まった美しい表情を作ります。
また、顔の筋肉は全身の筋肉とも関係しており、たとえば、姿勢が悪い人は、かむ力も弱いといわれています。
よくかむことは全身の筋力を高め、健康維持にもつながるわけです。
しかし、何といっても、かむことで得られる最大の効用は、唾液の分泌を促すことでしょう。
唾液には、たくさんの役割があります。
第一に、食べ物の消化を助ける消化酵素が豊富に含まれていること。
そのため、かめばかむほど唾液が分泌されて、胃や腸での消化や吸収を助けることにつながります。
唾液には、さらに、細菌の感染から体を守るいろいろな物質が含まれています。
小さいころ、転んでけがをしたら、つばをつけておけば治るよ、と言われたことはありませんか?
これは、唾液の殺菌作用をあらわした言葉でしょう。
唾液には、免疫機能の主役である白血球のほか、リゾチームやラクトフェリンなどの物質も含まれています。
これらふたつの物質は、殺菌作用があることで知られており、とくにラクトフェリンは、歯周病の原因菌、グラム陰性菌のひとつを殺す働きがあるとみられています。
何より唾液には、口腔内の環境のバランスを保つという免疫力システム保持の役割があります。
そのうえ、歯周病の原因となる菌の繁殖を抑える作用があるのですから、歯周病予防に唾液の存在は重大です。
虫歯の原因歯を抑制する物質も含んでいますし、口臭を抑える働きも持っています。
その他、唾液には歯の表面の汚れを取り、歯を強化する働きもあります。
最近では、がんを抑える酵素も含んでおり、食べ物に含まれる発がん物質など有害物質を薄める働きがあるということもわかってきています。
一口30回をメドに
唾液の分泌を促すには、やはり、食事の際によくかむことが基本です。
かむ回数は、ひと口30回が目安といわれていますが、硬いものを食べるようにするだけで自然にかむ回数も増えるでしょう。
やわらかいものばかりでなく、かみごたえのある食品を意識してとるようにしたいものです。
また、ガムをかんで、唾液の分泌を促すことも効果があります。
ガムも、先に紹介したマスティックガムやキシリトールガムなどにすれば、それぞれ、歯周病や虫歯予防の効果がさらに期待できます。
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口臭と歯周病
歯周病の原因菌の増殖が口臭に結びつく
口臭の原因の多くは、口の中の細菌が繁殖して微生物がガス(臭気)を発生するためとみられています。
口臭の主な臭気成分は、メチルカブタンや硫化水素、ジメチルサルファイドなどで、これらは下水道の臭いとほぼ同じ成分です。
口臭原因のひとつに歯周病があります。
歯周病にかかると、原因菌である嫌気性菌が増殖、それが破壊した組織や血球成分などのタンバク質を分解し、悪臭を作りだすわけです。
歯茎が炎症を起こし、膿を出したりすると、ますます口臭がひどくなります。
大きな虫歯がある場合も、口臭の原因になることがあますから、気になる口の臭いがあるときは、早めに歯科を受診し治療を受けましょう。
なお、歯周病の発生とも関係しますが、口腔バランスの崩れも口臭に結びつきます。
口の中にはもともと常在菌がおり、健康的な口腔環境を作るには、そのような善玉菌の存在が無視できません。
口臭を消すために強力な洗口剤を使っていると、かえって善玉菌も殺してしまうことにもなるので気をつけましょう。
その点、漢方うがい薬などは安心です。
舌苔や、唾液不足も講習の原因になる
口臭の原因には、舌苔もあげられます。
舌の表面を白くコケのようにおおっているのが舌苔です。
舌苔は、脱落した粘膜細胞や、白血球などの血球成分が舌の乳頭についたものですが、これが細菌により分解されると悪臭を発します。
舌ブラシによる舌掃除、うがいやブラッシングなどセルフケアに努めましょう。
睡液不足も、口臭の原因になります。
唾液には、殺菌作用や洗浄作用などがあり、これが十分に分泌されないと、細菌が増殖し口臭に結びついてしまいます。
加齢により口臭が強くなることがみられますが、これは、年を重ねるにつれ睡液の分泌量が減ることと関係しています。
よくかんだり、舌を口の中で転がすなどして、意識して睡液の分泌を促がすようにしましょう。
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歯周病治療に、漢方うがい薬
歯周病の予防と治療には、ブラッシングが欠かせません。
そして、もうひとつセルフケアとして有効な方法に、漢方うがい薬があります。
漢方うがい薬は、4種類の漢方生薬をブレンドしたものです。
このうがい薬が他の洗口剤などと違うのは、歯周病の原因となる菌はやっつけても、常在菌としてある善玉菌まで殺すことがないため、口の中の免疫バランスを崩すことがないという点です。
さらに、使い続けていると、免疫機能を整え、歯肉を強くしてくれるということも、さまざまなデータからわかってきています。
とくに、歯周病にかかりやすい中高年以上の世代は、徐々に免疫力も低下してきており、強すぎる殺菌力の洗口剤は避けたほうが無難です。
その点、自然物質の漢方生薬をブレンドしたうがい薬は、免疫機能を壊さないばかりか、サイトカインという生理活性物質を誘導することで低下しがちな自然の免疫力を徐々に引き上げることも可能な薬といえるでしょう。
漢方うがい薬は、次の4種類の生薬から成っています。
甘草
マメ科カンゾウの根。安中散、葛根湯、小紫胡湯など、さまざまな漢方処方で使われています。
また、甘味料として食品にも用いられています。
利尿、涼血(血液の質をよくする)の作用があり、白血球を抑制する働きがあります。
ビンロウジ
ヤシ科ビンロウジの種子。アルカロイド、タンニン、サポニンなどを含み、歯痛止め、健胃などの作用があります。
延年半夏湯、女神散などの漢方処方に使われていますが、使用法を誤ると危険なので専門家に処方してもらいましよう。
肉豆く(ニクズク)
ニクズク科二クズクの子核。
精油や脂肪油を含み、解毒、健胃などの作用があります。
料理のスパイスとしてもよく使われ、加味四君子湯、四神丸など、いろいろな漢方製剤に含まれています。
益母草(ヤクモソウ)
シソ科メハジキの茎葉。アルカロイドや脂肪油を含んでおり、活血(循環をよくする)、解毒、涼熱、強壮などの作用があります。
お血(血が汚れて滞る状態)の生薬として有名で、勺帰調血散などに処方されていますが、中国ではよく使われているものの、日本での配合処方は少ないようです。
これら4種類の生薬は、乾燥させたものを煎じたりして、昔から使われてきたものばかりです。
私たちの体を自然にちょうどよい接合に整えてくれるのは、ほとんどが自然の物質です。その意味でも、体に安心なうがい薬といえるでしょう。
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歯ブラシ選びのコツ
歯ブラシは、形や大きさ、ブラシの長さや硬さなど、さまざまなタイプがあります。
歯ブラシ選びの基準は、自分にとって使いやすいかどうかということでしょう。
そのうえで、大きさは、小さめのものをすすめています。
とくにヘッドは小さいもののほうが、細かいところまでブラッシングしやすく、奥のほうまで届きやすいからです。
ただ、あまり小さいと、かえってブラッシングしにくくなります。
ブラシが、下の前歯列の内側に楽に入ること、あるいは2本の指の横幅より短いものが適当な大きさといわれていますので、これを目安にするといいでしょう。
また、歯と歯肉の間の歯肉溝や、歯と歯の問に毛先が入り、プラークを取り除くことができるよう、ブラシの毛は細く長めで密集しているタイプがおすすめです。
歯ブラシの硬さも大事
適度な硬さも大切です。
硬すぎるものは、歯肉や歯を傷つけますが、反対に、やわらかすぎてもブラシの役目を果たすことができません。
適度な硬さというのは、手の甲をゴシゴシこすっても痛くないというものです。
そのほか、ティッシュペーパーをこすっても破れない、毛を指で触って痛くないといったことも適度な硬さを知る手がかりとなります。
グリップは、ブラッシングしていてもグラグラしない、安定感のある、やや太めのタイプがおすすめです。
持ち方は、ペンを持つように握るといいますが、自分で持ちやすい方法でかまいません。
歯ブラシの交換は、1ヶ月程度をメドに。
1ヶ月たたなくても、毛先が開いて、後ろから見て毛先がはみだしているようなブラシは、かえって歯肉を傷つけてしまいます。早めに交換しましょう。
歯ブラシなどもありますから、目的に応じて使い分けるのもいいでしよう。
最近は、電動歯ブラシを使う人が増えてきています。
手動式のものに比べて、ブラッシング時間が短くなり、手動式より3分の1の時間で同程度の効果が期待できるといわれています。
電動歯ブラシも、使い方を守り適切なブラッシング法で行えば、効果はあるでしょう。
ただ、歯並びの悪い人が電動歯ブラシを当てても、大雑把にしかブラッシングできず、結局その後、手動式でフォローしなければいけないことがよくあります。
また、スタングードな歯ブラシ以外に、奥歯や歯と歯の間専用の歯ブラシなどもありますから、目的に応じて使い分けるのもいいでしょう
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歯周病が引き起こす病気:動脈硬化
これまで歯周病は、口の中に限った病気とみられてきました。
しかし、さまざまな研究の結果、現在では、歯周病と全身の病気との関係が指摘されています。
歯周病菌の影響で、糖尿病などの持病が悪化したり、動脈硬化や心内膜炎などの病気を引き起こすほか、早産など妊娠中のトラブルにも影響を与えるといったことがわかってきたのです。
歯周病菌が全身の病気を引き起こす理由は、歯肉にある豊富な毛細血管にあるようです。
歯周病原因菌のグラム陰性菌が歯肉組織まで侵入してくると、豊富な血管に入り込み、血液を介して全身にまわります。
その結果、体の各部に病気を発症させることになるのです。
また、グラム陰性菌以外にも、菌に対抗するため免疫機構が作りだすサイトカインなどの生理活性物質も関係しているとみられています。
歯周病菌が引き起こす病気のひとつ、動脈硬化から説明しましょう。
動脈硬化とは、動脈の血管の内側にコレステロールなどが付着して、内腔が狭くなり、血管の弾力性が失われ硬くなった状態をいいます。
この動脈硬化になった血管壁から、歯周病菌が検出されることが多々あり、これは、歯肉の血管から全身にまわった歯周病菌が血管壁に付着し、そこに血小板などが引っかかり、動脈硬化になったとみられています。
以前は、コレステロールが血管に付着することから、高脂血症が進んで動脈硬化になるとみられていました。
しかし、細菌やウイルスが引き金となり、動脈硬化を起こすこともある、というのが最近の見解です。
動脈硬化になると、血の塊の血栓ができやすく、血管が詰まったり、破れて出血するなどの危険性が高まります。
心臓の冠状動脈の動脈硬化が進むと、狭心症や心筋こうそく梗塞などが心配されます。
また、脳の血管が狭くなったり詰まると、脳梗塞や脳卒中などを引き起こしかねません。
そもそも、歯周病と動脈硬化の関係が注目されるようになったのは、この冠状動脈疾患の患者さんたちから歯周病菌が検出されたというアメリカの調査報告からでした。
また、フィンランドでも、心臓疾患のない人約2万人を14年間追跡調査し、その後、心臓疾患になった人とならなかった人の2つのグループに分け、それぞれのグループで歯周病の有無を調べました。
その結果、歯周病にかかっている人のほうが、心臓疾患を発症しやすいと報告されたのです。
動脈硬化が起こりやすいのは、総コレステロール値が高い人や中性脂肪の多い人とみられています。
このような人が歯周病になると、ますます動脈硬化のリスクは高まるわけですから、健康診断などでコレステロール値や中性脂肪値が高いと注意された人は、とくに歯周病予防に努めることが大切です。
すでに歯周病になっている人は、治療を受けて早めに治すようにしましょう。
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歯周病が引き起こす病気
厚生労働省の調査によると、糖尿病が強く疑われる人は740万人、可能性を否定できない人を合わせると1620万人もの数にのぼることがわかりました。
糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが不十分なため、血液に含まれるブドウ糖の量(血糖)が異常に多くなる病気です。
血糖値が高い状態が長く続くと、血管壁に負担がかかり、その結果、さまざまな合併症を引き起こします。
三大合併症といわれる腎症や網膜症、末端神経障害をはじめ、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞など、合併症は全身に及びます。
しかし、血糖が高いだけで自覚症状はとくになく、それが糖尿病の怖いところでもあるのです。
最近の研究で、歯周病菌がこの糖尿病の病状を進め、悪化させるものであることがわかってきました。
これまで、糖尿病が歯周病のリスク因子であることは知られていましたが、逆に、歯周病も糖尿病のリスク因子であることが解明されてきたのです。
歯周病と糖尿病は、お互いに悪影響を与え合う存在であるのです。
歯周病が長引き、炎症が拡大していくと、免疫機能がバージョンアップし、さらに菌とたたかうため、サイトカインなどの生理活性物質が作られます。
そのひとつにTNF-αという生理活性物質があるのですが、実はこれにはインスリンの働きを妨げる作用があるのです。
インスリンには、血糖を低下させる働きがありますから、TNF-αの作用で働きが阻害されると、血糖のコントロールがうまくいかなくなり、糖尿病は悪化してしまうというわけです。
糖尿病患者さんの歯周病を治療したところ、血糖コントロールがよくなり、糖尿病が改善されたという報告は、歯周病が糖尿病のリスク因子であることを裏づけています。
そのほか、ある種の慢性関節リウマチ、慢性腎炎など、歯周病菌が関係しているとみられている全身の病気は少なくありません。
それぞれの病気と歯周病との関係はまだはっきりしたものではありませんが、歯周病の菌自体や、菌の持つ毒素、あるいは炎症が生みだす生理活性物質によるものと推測することはできます。
いずれにせよ、歯周病の予防と早期治療の大切さは、いくら強調しても、しすぎることはないでしよう。
歯周病を放っておいたら、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中の発作におそわれかねないし、いつの間にか糖尿病を進行させたりするのですから……。
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歯周病は、糖尿病を悪化する
歯周病にかかっていると、糖尿病の病状を進行させやすいということについては、前にお話ししました。
ここでは逆に、糖尿病が歯周病のリスク因子であることについてみていきましょう。
糖尿病にかかると、血液に含まれるブドウ糖が異常に多くなる状態が続き、全身の血管の壁に負担がかかり、血管障害が起こります。
その結果、白内障や網膜症など目の病気や、腎症など腎臓の病気、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞など、さまざまな合併症を引き起こすことになってしまいます。
末梢神経障害になると、足の壊症(組織が腐敗した状況)で下肢切断ということにもなりかねません。
このような血管障害は、歯肉にも起こります。
血流が悪くなり、歯肉組織を酸素や栄養不足にし、歯周病菌が増殖しやすい環境を生みだします。
血行不良のため、白血球の活動が悪くなって歯周病菌に対抗する免疫力も低くなり、菌が増えるのを抑えることができません。
口の中に限らず、糖尿病になると全身の免疫力が低下します。
糖尿病の人は、風邪を引きやすくなったり、ちょっとした傷でも治りが悪くなり、細菌やウイルスとたたかう力が弱くなってしまうのです。
体全体の免疫力も低下した状態では、とうてい歯周病菌の増殖を抑制することはできません。
糖尿病で血糖が高いと、歯周ポケットや唾液に含まれる糖の量も多くなります。
ブドウ糖が栄養源となる菌にとっては、うれしい環境ですから、ますます菌は増殖し、歯周病は悪化していきます。
さらに、糖尿病にかかると、唾液の分泌が抑えられ、口が渇きやすくなります。
唾液には、殺菌作用や菌の抑制など口の中を良好に保つ働きがありますから、その作用が低下すると、口腔環境は悪化し歯周病菌の増殖を許してしまうことにつながります。
糖尿病が、歯周病のリスク要因であることは明らかです。
同時に、歯周病も糖尿病のリスク因子です。
糖尿病と歯周病は、どちらも免疫力を低下させる病気であり、生活習慣が深くかかわる病気なのです。
糖尿病の人は、より積極的に歯周病の検診を受けましょう。
また、血糖をじょうずにコントロールしていくことが、歯周病を悪化させないことにつながるわけですから、生活習慣を見直し、糖尿病食や適度な運動などにも努めましょう。
歯周病は、慢性関節リウマチや、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患とも関係があります。
このような病気は、免疫不全を起こしやすく、そのため、歯周病を進行させてしまう傾向がみられます。
ふつうの人よりも気をつけて、ふだんから免疫力を落とさないような生活を送ることが重要でしょう。
なお、免疫不全というのは、細菌など外敵に対して正常な防衛機能が働かず、抵抗力が落ちた状態をいい、ある意味で、歯周病も口の中で免疫不全を起こす病気といえそうです。
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歯周病の三大原因
歯周病とは、歯肉炎と歯周炎のふたつを合わせた呼び名です。
どのような病気なのかは後に詳しく説明しますので、ここでは簡単に、歯肉にだけ炎症が起きたものを歯肉炎、
歯を支えている歯槽こつ骨にまで炎症が広がった状態を歯周炎と呼ぶと理解しておいてください。
なお、歯槽膿漏とは重度の歯周炎のことです。
さて、歯肉炎にしろ歯周炎にしろ、炎症が起きているのですから、その原因となる細菌がいます。
しかし、歯肉炎と歯周炎では、原因となる細菌はそれぞれ違いますし、虫歯の原因菌も、歯肉炎菌や歯周炎菌とは異なります。
歯肉炎や虫歯の菌と違い歯周炎の菌がやっかいなのは、菌自体が細胞内毒素を持っていることです。
菌の細胞内にあるこの内毒素が、歯肉の周囲組織を攻撃し傷つけ、その結果歯槽骨を破壊するのです。
歯周病は、原因となる菌が口の中にいても、必ず発症するとは限らないという不思議な病気です。
発症するには、免疫力(=病気への抵抗力)というもうひとつの要素が関係しているのです。
歯周病菌が増殖しだすと、細菌から体を守ろうとする防御機能が働きだしますが、このとき、細菌とたたかう力、つまり抵抗力が強いか弱いかで、病気が発症するかどうかが大きく左右されるのです。
体の免疫力が強い場合は、歯周病菌が少しぐらい増殖しても、発症につながりません。
しかし、免疫力が弱いと、わずかな菌があっても、発症してしまうことがあるのです。
風邪をひいて体調が落ちたときなど、歯茎がはれたり膿が出たり、歯茎から出血したというような経験はありませんか。
これは、風邪をひいて免疫力が低下したため、歯茎がはれるなどの歯周病の症状があらわれたわけです。
かみ合わせの悪さも、歯周病の原因のひとつです。
なかでも気をつけたいのが、外傷性唆合です。
外傷性唆合は、虫歯があるのに治療しないでいたり、歯が抜けたまま放置していて起きるものですが、
実は不適切な治療によって引き起こされる場合もあるのです。
歯の治療でブリッジやかぶせ物をしても、かみ合わせがきちんとしていないと、それが原因で歯周病になってしまうというわけです。
このように、歯周病の場合は、細菌・免疫力・かみ合わせの3つの原因が複雑に絡み合って発症にいたります。
顎関節症
「大きく口を開けるとあごが痛い」、
「口を開けたときに、あごがカクンカクン、コツコツと音がする」
などがみられたら、顎関節症の疑いが濃厚です。
顎関節は、ちょうど目の前にあり、下顎骨と側頭骨をつなぐ関節になります。
主な原因には、かみ合わせの悪さがあげられますが、ストレスや運動不足、姿勢の悪さなども影響しているようです。
顎関節症をそのままにしておくと、かみ合わせの悪さから歯周病も発症しやすくなるうえ、肩こりや腰痛などの全身症状も進みます。
症状がみられたら、一度歯科でチェックしてもらいましよう。
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最新の歯周病治療:レーザー治療
レーザーはいろいろな診療科で使われるようになっていますが、最近とくに効果が高いと注目されているのが、歯周病の治療についてでしょう。
レーザー治療は、痛みがほとんどないので、麻酔なしで行うことができます。
止血効果も高く、殺菌作用もあります。
レーザーを歯周病の病巣に照射すると、かなり進行した人の場合、ネバネバした赤黒い血が大量に出てくることがありますが、
この血管をレーザーで破壊することで新しい血管と組織の再生を促すことができるのです。
もうひとつ、レーザー治療によって歯茎をピンク色にするという治療もあります。
歯肉炎になると歯周組織の毛細血管が拡張して歯茎が赤くなります。
また、不適当なかぶせ物をすると、血管を圧迫して酸素が流れなくなり歯茎が黒紫色になることがみられます。
そのほか、喫煙者の場合はヤ二で歯も黄色くなり、歯肉も黒くなる傾向がみられます。
このような人の歯茎にレーザー照射を行うと、きれいなピンク色の歯茎を回復することができます。
たばこをずっと吸っていた人の歯肉に沈着していたメラニン色素をレーザーで取ることにより、ピンクの歯肉になります。
この治療は麻酔をして行います。
歯肉の粘膜上皮はとても代謝が早いのでつぎつぎときれいな粘膜ができるのですが、とくにレーザー照射し、漢方うがい薬を併用すると、より代謝が早まるのです。
かなり症状が進行している場合、骨形成手術も
歯周病がかなり進行している場合、外科手術という治療法もあります。
手術の方法には何種類もありますが、一般的に行われている方法に、歯肉を切開して中の悪い部分をきれいに取り除き縫合するという方法があります。
また、歯肉を切除して歯周ポケット自体を取り除く方法があって、これは歯肉切除や歯肉整形術といわれています。
歯肉だけを処置してもとの状態に戻す方法ですが、こういう治療の目的は、歯周ポケットをなくし、再びポケットができないようにすることです。
骨の形を変える手術法もあります。
歯周組織だけではなく歯槽骨が破壊されるほど進行している場合は、歯槽骨の形を整える手術を行い、これを骨形成手術とか歯槽骨整形手術といっています。
また、歯槽骨が破壊され下の骨まで落ちてしまったような状態になると、人工的に歯を支えるものを作るという方法もあります。
このように、歯周病によって破壊された歯周組織や骨に対する治療にはたくさんの方法がありますが、一度破壊された組織をもとの状態に戻すということは非常にむずかしいのです。
正常な歯周組織のように、歯根膜や歯槽骨などをきちっとした状態に戻すことは不可能とされていましたが、最近になって、それを可能にする治療法が開発されました。
カテゴリー:歯周病
歯周予防は、老後の健康的な生活に大切
世界でも1、2位という日本人の平均寿命はますます延びをみせ、女性85.23歳、男性78.32歳という長寿時代となりました。
一方、歯の寿命は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、一番長命な下あごの犬歯で男性66.7歳、女性で66.2歳です。
体の寿命にくらべ、いかに歯の寿命が短いかがわかります。
このままでは長生きすればするほど、歯のない人生が延びていくということになりかねません。
厚生労働省も「8020運動」といって、「80歳までに20本以上は自分の歯を残しましょう」という運動を進めていますが、残念ながら80歳以上で自分の歯は、6本しか残っていないという現状です。
では、歯を失う最大の原因はというと、実は歯周病なのです。
とくに中高年になると、原因のほとんどは虫歯ではなく歯周病です。
注目すべきは、何らかの歯肉の異常があるという人が45歳〜54歳の年齢層で88.44%ともっとも多く、その前後の30代半ばから60代半ばにかけ80%を超えているということです。
中高年の10人に8人は、歯周病とみられる所見を持っているというのですから、いかに歯周病が国民病となっているか、おわかりいただけるでしょう。
健康的な老後生活を送るためには歯の寿命を延ばす必要があります。
そのためには、歯周病対策が欠かせないのです。
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タバコを吸う人は、歯周病になりやすい
タバコの悪影響でまずあげられるのは、やはりがんでしょう。
日本では、がんの原因の30%が喫煙によるといわれています。
がんのほかにも、喫煙により気管支炎や心筋梗塞など呼吸器系や循環器系の病気を起こしやすくなります。
受動喫煙の害も明らかになってきており、非喫煙者の女性の場合、肺がんの約3分の1は夫の喫煙によるものという報告もあります。
子どもへの影響も見過ごせません。
母親が妊娠中にたばこを吸っていると胎児の発育が阻害されることは以前からいわれていましたが、
妊婦さん自身は吸わなくても受動喫煙でも影響を受け、やはり低出生体重児となりやすくなることがわかっています。
さらに、歯周病も喫煙の影響が大きい病気としてあげられます。
実際にアメリカでは、重度の歯周病の患者になるほど喫煙者が多くなることや、ヘビースモーカー(1年に喫煙数400本以上)の約80%が、中〜重度の歯周病にかかっているという報告も聞かれます。
喫煙が歯周病の危険因子となるのは、次のような理由からです。
タバコに含まれているニコチンや煙の成分の一酸化炭素には、血管を収縮させ、血液の流れを悪化させる作用があります。
歯肉にはたくさんの血管があり、血流が悪化すると、十分な酸素や栄養が届かなくなってしまいます。
すると、酸素不足で組織細胞の活性が悪くなり、歯肉周囲の細菌を殺す白血球の免疫機能を低下させます。
しかも、栄養不足で口の中の抵抗力は落ちているため、グラム陰性菌をやっつけることもできません。
その結果、歯周病が発症したり、病状を進ませてしまうことになるのです。
タバコは全身の免疫機能も低下させますから、菌とたたかう力は、ますますそがれていくのです。
喫煙は、歯肉を回復するのに必要な細胞の働きも抑制するため、治りが悪くなりますし、唾液の分泌も抑えられるので、殺菌作用や口腔内を洗浄する唾液が十分に働くことができず、菌が増殖し、病状を悪化させることになります。
そのほかにも、タールが歯に付着し、プラークをつきやすくするなど、喫煙は、歯周病にとどまらず、口の中全体の環境を悪化させる要因なのです。
喫煙がやっかいなのは、歯周病にかかっていても、症状が出にくいことです。
ニコチンの作用で血行が悪くなっているため、歯肉から出血しにくい傾向がみられますし、免疫機能が低下していて、歯茎のはれなど炎症の「サイン」がきちんと起きないことも心配です。
炎症が起きるのは、免疫機能がきちんと働いている証拠で、拡大したり、長期間でなければあまり心配ありません。
むしろ、炎症が起きないまま、いつの間にか症状が進んでいるほうが心配なのです。
最近では、歯周病の治療で通院する人に、禁煙を呼びかける歯科医が増えてきています。
治療をきっかけに、ぜひ禁煙にトライしてほしいものですが、少なくとも、タバコを吸っている人は、喫煙のリスクをよく理解して、こまめに定期健診を受けてください。
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免疫力低下が、歯周病の原因
毎食後きちんと歯を磨き、口の中を清潔に保つよういつも気をつけているのに、歯周病になる人もいれば、
歯にプラークがいっぱいついて、歯周病菌がうじゃうじゃいるような口の中なのに発症しない人もいます。
これは歯周病の発症に、細菌だけでなく、免疫力が大きく関係しているからです。
もちろん、発症の条件に、原因となる歯周病菌の存在は欠かせませんが、免疫力が低下しているかどうか、ということも大きな要因になるのです。
口の中の免疫力は、全身の免疫力と連動しています。
体の抵抗力が落ちると口の中の免疫力も落ち、歯周病だけでなく口内炎などにもかかりやすくなります。
反対に、歯周病を発症させると、体の免疫力も落ち、全身の病気にかかったり、症状が悪化することがみられます。
たとえば、糖尿病の患者さんは歯周病になりやすく、しかも、なかなか治りにくい傾向があります。
糖尿病になると全身の免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなるのですが、口の中も例外ではありません。
口の粘膜の抵抗力も落ち、菌に感染しやすい状態になるのです。
そのため、血糖値が安定していない状態で治療しても、なかなか歯周病は治りませんが、血糖値が安定してくると、歯周病も治りやすくなります。
逆に、プラークを取るなど歯周病の治療をしたら、血糖値が安定してきたという報告もあります。
歯周病の治療が糖尿病の改善につながり、血糖値のコントロールが歯周病の改善に結びつくというわけなのです。
歯周病予防には、免疫力をダウンさせない生活を送ることが大切です。
そのためには、食事をきちんととり、睡眠も十分とるなど健康的な生活を送ることが欠かせません。
また、免疫力は、ストレスやホルモンと密接な関係があり、さらにこれらは自律神経(意思とは関係なく、内臓や血管の働きなどをコントロールしている神経)に影響されています。
ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、免疫力が落ち歯周病を発症しやすくなります。
ですから、ストレスをじょうずに解消する生活を送ることが大切なのです。
また、ホルモンの影響も大きく、妊娠期や更年期などホルモン分泌が不安定になりやすい時期は、歯周病にかかりやすくなります。
この時期は無理せず、歯肉がはれたら疲れがたまっているサインと受け止め、しっかり体を休ませてあげましょう。
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歯周病菌と戦う免疫反応
口の中に歯周病の原因菌がどんどん増えてくると、これを防ぎ排除しようとする体の働きが活発になってきます。
このような、外敵から身体を守ろうとする生埋的な働きを免疫反応といいます。
歯肉炎などで炎症が起きるのは、実は免疫システムがしっかり働いている証拠なのです。
これは生来人間が持っているもので、自然免疫といいます。外敵から守ろうとたたかっているから炎症が起きるのです。
ところが、炎症が長引くと、免疫反応も過剰な力を発揮し、自らを傷つけてしまうことがあります。
それが、重症の歯周病の場合、なかなか回復しない一因にもなってきます。
サイトカインという生理活性物質
歯肉炎の段階では細菌の数も少なく、免疫システムの主役・血液中の白血球を構成している好中球とマクロファージという通常の武器で敵である細菌をやっつけることができます。
このとき大切な役割をするのがサイトカインという生理活性物質です。
これは、免疫システムのスイッチにあたります。
ところが、歯周炎まで進むと、事情が変わってきます。
炎症が拡大・長期化した歯周炎になると細菌も多くなり、通常の武器だけでは太刀打ちできなくなります。
そこで、白血球内のリンパ球にも応援を頼み、リンパ球はさらに強力なサイトカインを送りだし、一挙にたたかいに打って出ます。これを獲得免疫といいます。
ところが、このサイトカインが自然免疫のときよりも多く生産されると、敵である細菌だけでなく、自分の細胞組織も傷つけてしまうことがあるのです。
サイトカインの影響をもろに受けるのは、歯を支えている歯槽骨です。
歯槽骨は、体のほかの部分の骨と同じで、常に古い骨は吸収され、新しい骨が作りだされています。
骨を吸収する細胞を破骨細胞、骨を作りだす細胞を造骨細胞といいますが、サイトカインはこの破骨細胞の働きを促してしまうのです。
歯周病が拡大・長期化し、炎症が重くなると、それを鎮めようとする免疫反応も強まります。
その結果、サイトカインなどの刺激で破骨細胞の働きが活発になり、歯槽骨はやせ細り、吸収されていってしまうのです。
自らの体を守る免疫システムなのに、その働きで歯槽骨がやせ細り、ある日突然、歯がポロリと抜け落ちてしまう……なんてことにならないよう、いつまでも歯周病を放置しておいてはいけません。
炎症が起きること自体は免疫機能が正常に働いている証拠ですから、あまり心配することはありません。
歯肉がはれても1、2日して自然に治るようならようすをみていていいでしょう。
問題は、炎症が長引くことです。
2〜3日過ぎても歯肉のはれがおさまらず、出血してきたというような場合は歯科医院を受診しましょう。
早めに抗生物質を投与し、炎症を抑えることが大切です。
カテゴリー:歯周病
歯周病の原因:肥満
肥満は、糖尿病や高血圧、心臓病など生活習慣病を引き起しかねないハイリスク要因です。
最近は、生活習慣病のひとつ、歯周病に関しても、肥満との関係が注目されてきました。
肥満かどうかをみる目安になるのが、BMIです。
これは、
体重(kg)÷〔身長(m)×身長(m)〕
で求められる指数で、BMIが25以上は肥満と判定されています。
逆に、身長(m)×身長(m)×22があなたの標準体重となります。
さらに、全体重に対する脂肪量である体脂肪率で肥満度をみると、体脂肪率が女性の場合は30%以上、男性の場合は25%以上が肥満とされています。
体脂肪率に体重(kg)を掛けると、あなたの体脂肪量を割り出すことができます。
肥満タイプに糖尿病を患っている人は多くみられますし、だらだら食いなど食生活に問題がある傾向は強いでしょう。
そのため、太っていると歯周病にかかりやすいとはいえますが、どうやら肥満と歯周病の関係はそれだけではなさそうです。
最近、肥満についての研究が進むにつれ注目されているのが、脂肪細胞から分泌されるレプチンなど生理活性物質の存在です。
レプチンは、脂肪細胞から分泌され、脳の視床下部にある満腹中枢を刺激し、食欲を抑えるなどの働きをしていることがわかってきました。
脂肪細胞からは、このような生理活性物質・サイトカインがいろいろ分泌されており、体の免疫機能や代謝機能などにさまざまな影響を与えます。
前に、インスリンの働きを妨げることで紹介したTNF-αも脂肪細胞から分泌されるサイトカインのひとつです。
脂肪細胞が増殖 → いろいろな生理活性物質が分泌 → 体の免疫機能の低下や代謝機能に異常 → 日の中の免疫力も低下 → 歯周病を発症・促進
という道筋が推測されるのです。
太りすぎは生活習慣病に結びつきますし、腰痛や膝関節の炎症などのトラブルも発生させます。
加えて、歯周病のリスク因子ということになれば、肥満予防・解消は中高年にとっての最大の課題です。
まずは、バランスのとれた適正な食事と適度な運動から始めましょう。
カテゴリー:歯周病
女性ホルモンを栄養素とする歯周病菌
男性に比べて女性のほうが口腔ケアに敏感で、歯磨きも毎食後ていねいにしているという人が多いでしょう。
しかし、歯周病になるのは、女性のほうが圧倒的に多いのです。
これは、歯周病菌と女性ホルモンの間に密接な関係があるためです。
ここで、女性の月経周期について簡単に説明をしておきましょう。
月経は、初潮を迎えてから閉経にいたるまで、ほぼ25〜28日周期という一定のリズムで繰り返されていきます。
月経周期のうち、排卵までの時期はエストロゲン(卵胞ホルモン)が豊富に分泌され、卵胞が成熟し子宮内膜も増殖していきます。
卵胞が卵巣から飛び出し排卵すると、今度はプロゲステロン(黄体ホルモン)が活発に分泌されるようになり、子宮内膜をさらに柔らかくしていきます。
しかし受精が成立しないと、排卵後2週間ぐらいでプロゲステロンもエストロゲンも分泌が減り、子宮内膜がはがれ月経を迎えるわけです。
このふたつの女性ホルモンのうち、歯周病との関係で、とくに影響を与えるのは、プロゲステロンです。
プロゲステロンが増加すると、歯肉の毛細血管が拡張しやすくなります。
また、歯周病菌に限らず口腔内の菌の増殖も助け、プロゲステロンの分泌がもっとも多い時期になると、体調が落ちて口内炎や口唇ヘルペスになる人もいます。
また、プロゲステロンは、生理活性物質(サイトカイン)の一種、プロスタグランディンを作りだすよう刺激し、その結果、炎症が悪化して歯周病が進行したり、骨にも作用し、歯を支えている歯槽骨をやせさせる場合も生じます。
実際、月経時の歯肉の血管には、プロスタグランディンが高濃度に含まれているという報告もあります。
さらにやっかいなのは、ふたつの女性ホルモンを栄養源とする歯周病菌がいることです。
そのため、女性ホルモン分泌が増加する時期になると、歯周病が悪化するという人はけっこういます。
とくに、月経前症候群(PMS)の人は、月経前になると歯周病の症状が出やすいようです。
月経前症候群とは、月経予定日の10日前ごろから、イライラや怒りっぽくなったり、下腹痛や腰痛、便秘などに悩まされることをいいます。
口の中にも症状があらわれ、歯肉が赤くはれ、出血しやすくなったり、知覚過敏を訴える人もいます。
PMSによるものなら、月経が始まれば症状は軽くなるはずですが、毎月悩まされるのも困ります。
PMSの人は、婦人科の治療で歯周病の症状が軽減されることもありますから、婦人科と歯科と並行して治療を受けるほうがいいでしょう。
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悪い咬み合わせが歯周病を引き起こす
悪いかみ合わせのことを、不正咬合といいます。
このうち、歯周病の原因となる外傷を引き起こすようなかみ合わせのことを、外傷性咬合といいます。
外傷が起きるには、さまざまな原因があります。
たとえば、虫歯を治療しないで、そのまま放置しておいたり、歯が抜けたままにしておくと、歯並びがおかしくなってきます。
内側に入り込んだ歯や、外に飛び出した歯などがあり、歯列がデコボコになってしまいます。
デコボコの歯列のうち、くぼんだ部分は汚れがたまりやすく、飛び出た歯も唇に触れやすいので汚れが付着しやすくなります。
そのうえ、このような場所は歯磨きもしづらいため、プラークが増えて歯周病にかかりやすくなります。
歯周病を発症した場合も、病気の進み方が早くなる傾向がみられます。
不適切な歯科治療が原因
不適切な歯科治療が原因で、外傷性咬合になる場合も少なくありません。
歯科治療を受けたあと、かみ合わせのチェックをしますが、これがきちんと行われていないと、あとで歯周病を引き起こすことになりかねません。
歯には、山の部分と谷の部分がありますが、それぞれに意味があるのです。
かみ合わせたとき、上の歯の山の部分に下の歯の谷の部分が入っているでしょう。
これがうまく適合していないと、かみ合わせがおかしくなってくるのです。
そのため、治療で義歯やブリッジなどをしたあとも、かみ合わせが左右対称になるようきちっと調整します。
ふつう翌日になれば、なじんでくるものですが、まだ違和感が残っているときは、かみ合わせをみてくださいと言って、もう一度みてもらいましょう。
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歯周病が引き起こす病気:心内膜炎・誤嚥性肺炎
歯肉の血管から侵入し、全身をめぐる歯周病菌は、体内のいろいろな臓器にもぐり込み、新たな感染症を引き起こします。
心内膜炎もそのひとつです。
心内膜炎は、心臓の内側をおおう膜に生じた炎症ですが、かかるのはもともと心疾患を持っている人がほとんどです。
先天性心疾患で心臓の弁に障害があったり、ペースメーカーを入れている人は、弁の周囲の血液の流れが滞りがちなため、そこに歯周病菌が入り込むと、心内膜に炎症を起こしてしまいます。
もっとも心内膜炎を起こしやすいのは左心房と左心室の間にある僧帽弁で、大動脈弁がこれに続きます。
以前から、心内膜炎を起こす細菌のおよそ半分は、口腔内常在菌の緑色連鎖球菌であることはよく知られていました。
それに、歯周病の原因菌であるグラム陰性菌も加わったわけですが、ほかにもカンジグなど多くの菌が原因になっています。
代表的な症状は発熱です。
疲労や、倦怠感、頭痛などがみられる場合もあります。
先天的な心疾患を持つ人は、歯周病予防をとくに心がけ、歯磨きの際の出血など少しでも症状があるときは、早めの治療に努めましょう。
また、歯周病菌に限らず、口腔内常在菌でも発症しますから、歯の治療を受ける場合は、持病があることを告げることが大切です。
とくに、先天性心疾患のある子どもの場合は、虫歯治療の際も注意が必要なため、治療前に、抗生物質を投与することもあるようです。
高齢者になると、肺炎にかかりやすくなります。
とくに、食べ物や飲み物が気管のほうに入ってしまい、その際一緒に入り込んだ口腔内の細菌が原因で起きる誤嚥性肺炎が増えてきます。
とくに、寝たきりになった場合や、病気の場合にかかりやすく、寝ている間に、口腔や咽頭の細菌が唾液とともに 気道に入ったりすることもあるようです。
ふつうは、気道など、呼吸器粘膜上皮にある線毛か異物を排除するのですが、年を重ねるごとにこの力も衰え、間違って異物が気道に入りやすくなってしまうのです。
この誤嚥性肺炎の患部からは歯周病菌が検出されており、グラム陰性菌が原因で肺炎を起こすことが明らかにされています。
歯周病菌以外に、口腔内の常在菌でも肺炎を起こすことがあります。
いつもは何の影響力もない常在菌なのに、体の免疫力が落ちると、少しずつ肺まで感染し、それが原因で突然病気を引き起こすことがあるからです。
しかし、常在菌よりも強い毒性を持つ歯周病菌であれば、肺炎を発症する可能性はさらに高くなります。
その意味では、高齢者ほど歯周病予防が大切といえるでしょう。
半年から3ヶ月に1回は定期的に検診を受け、こまめにブラッシングをして予防を心がけましょう。
カテゴリー:歯周病
歯周病は、妊娠に影響がある
数年前、アメリカで発表された次のような報告に、妊婦さんたちはさぞ驚き心配したことと思います。
それは、妊娠している女性が歯周病にかかっていると、早産になったり、赤ちゃんが低出生体重児となる確率が7倍も高くなる、というものでした。
早産とは、妊娠23〜36週での出産をいいます。
37週以降のお産であれば、ほぼ成熟した赤ちゃんが生まれますが、それ以前の出産、それも週数が少なければ少ないほど、赤ちゃんはまだ小さく、おなかの外に出ても自力で生きていく可能性は低くなります。
最近は数百gで生まれた赤ちゃんも、NICU(新生児集中治療室)などの設備が整った病院であれば、育つことができるようになってきてはいますが、それでも早産は避けたいトラブルです。
また、低出生体重児というのは、生まれたときの体重が2500g未満で、正常範囲より少ない体重で生まれた赤ちゃんのことをいいます。
これまでも、タバコを吸っている妊婦さんから生まれる赤ちゃんは低出生体重児となりやすいと指摘されていましたが、歯周病も妊婦さんにとって、新たな危険因子となったのです。
歯周病菌の妊娠に与える影響については、次のように考えられています。
歯周病が長引いたり拡大すると、免疫機能が活発に働きだし、細菌とたたかうために、サイトカインのようなさまざまな生理活性物質を作りだします。
そのひとつに、プロスタグランディンという物質があるのですが、実はこの物質は子宮を収縮させる働きがあるのです。
つまり、歯周病の原因菌そのものが悪さをするのではなく、菌とたたかうために作りだされた物質が悪影響を引きだしてしまうわけです。
プロスタグランディンという物質は、お産が始まってもなかなか陣痛がつかない場合に用いる陣痛促進剤として使われているほどですから、その作用たるや、推して知るべし、です。
プロスタグランディンに刺激され子宮が収縮し、予定日までにはずいぶん間があるのに陣痛がついてしまうと、早産になってしまいます。
また、本格的な陣痛につながらないまでも、いつも子宮が収縮を繰り返していると、赤ちゃんに届く酸素や栄養が不足してしまいます。
胎内にいる赤ちゃんにとって必要な栄養や酸素は、母体から胎盤を通して届けてもらうしかないのです。
ところが、その子宮が収縮を繰り返していると、赤ちゃんは栄養や酸素不足で、発育が妨げられます。
結果、週数は問題なく予定日近くで生まれても、低出生体重児になってしまうのです。
妊娠するとホルモンの関係で歯周病になりやすくなるため、歯周病を患う妊婦さんは少なくありません。
症状がみられたら、産婦人科の主治医に相談のうえ、できるだけ早く治療を受けましょう。
炎症を長引かせてプロスタグランディンを作りださせる前に、早めに治しておくことが大切です。
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歯を白くするホワイトニング
ホワイトニングは、歯を白くするデンタルケアのひとつです。
ホワイトニングの方法は、まず、汚れを取った歯に過酸化水素のペースト状の漂白剤を塗っていきます。
その後、ハロゲンランプという白熱灯の一種を当て、白く変色させます。
ただ、その人の持っているもともとの歯の色に合う色を選ばないと、そこだけ妙に白く浮き立ってしまうことがあります。
歯科医院で行うオフィスブリーチングに対し、自分でやる簡単なホワイトニングをホームブリーチングといいます。
これは、専用のマウストレーの中に過酸化尿素が配合されたジェルを入れ、マウスピースをはめる方法です。
とくに害はありませんが、知覚過敏などの副作用が出る人もいます。
自宅でできる手軽さはありますが、やはり、歯科で歯の汚れを取って治療をしなくてはならないところはきちんと治療したうえでないと、うまくブリーチングはできないでしょう。
カテゴリー:歯周病
ストレスが原因で歯周病を引き起こす
ストレスと歯周病の関係には、ふたつの面があります。
ひとつは、ストレスが歯周組織に直接、物理的な影響を与える点、
もうひとつは、ストレスが体に及ぼす免疫力への影響という点です。
ストレスの歯周組織への直接的な影響としては、たとえば、歯ぎしりです。
歯ぎしりは寝ている間、無意識のうちに上下の歯を強くこすり合わせる行為のことですが、歯ぎしりは歯周組織を刺激して、歯周病を悪化させます。
このような歯ぎしりの原因のほとんどはストレスです。
眠っている間にストレスを発散させようと、ギリギリと歯をこすり合わせるのです。
寝ている間だけではなく、人は強いストレスを感じたとき、無意識のうちに歯を強くかむといわれています。
逆に、リラックスすると、口の力が抜けて、かむ力は弱くなるでしょう。
頻繁に強くかみしめていると、歯周組織は圧迫されて、歯周ポケットもより深くなります。
そこに、細菌が増殖し、歯周病を引き起こしてしまうのです。
また、緊張して、口の中がカラカラに渇いてしまったことはありませんか?
これは、ストレスがかかって、唾液の分泌が抑えられたために起きた現象です。
唾液には殺菌効果など口の中を良好に保つ働きがありますから、量が減ると結局、細菌を増殖させることになって、歯周病の悪化に結びついてしまいます。
免疫力低下も、ストレスが原因
もうひとつ、ストレスは体全体の免疫力を低下させ、歯周病を引き起こすという側面も持っています。
体は、自律神経系と内分泌(ホルモン)系、免疫系が相互に作用しあってバランスをとり、健康に保たれています。
この3つは分かちがたく結びついているため、ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、ホルモンの分泌が乱れ、それが免疫機能の低下に結びついてしまうのです。
体の免疫力が落ちると、歯周病菌が増殖し、歯周病を引き起こすことにつながってしまいます。
今や、ストレスと無縁の病気はないような感さえありますが、歯周病にかかりにくくするためにも、じょうずなストレス解消は、現代に生きる私たちにとって欠くことのできないことでしょう。
なお、ストレスの感じ方には大きな個人差があり、ストレスに弱いタイプほど影響も出やすくなります。
自律神経
血液循環や体温調節など、自分の意思とは関係なく働く体の機能を調節しているのが自律神経です。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経が働くと血圧は上がり、副交感神経が働くと血圧は下がるというように逆の作用をしながら、その切り替えで各器官はうまく調節されています。
自律神経は脳の視床下部でコントロールされており、ここはホルモン中枢でもあります。
その外側は感情や本能の中枢である大脳辺縁系ですから、ホルモン変調やストレスの影響を受けやすく、自律神経のバランスが乱れると全身にいろいろな症状が現れます。
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歯周病の原因:喫煙・ストレス
歯周病の原因は、細菌であることにまちがいはありません。
ただし、歯周病菌を持っていてもかからない人もおり、発症には菌以外の要因も大きく影響していることがわかります。
口腔環境としては、そのほか、かみ合わせの悪さや、口の中が渇きやすく唾液が少ないこと、口内炎になりやすいなど口の中の免疫力が落ちていることもリスク因子になります。
唾液は口の中を洗浄し、殺菌能力も持っていますから、唾液が十分出ていないと、口腔環境が悪くなってしまいます。
全身の状態も大切な要素です。
糖尿病を患っていたり、関節リウマチなど自己免疫疾患の持病がある人は歯周病になりやすく、かかると悪化しやすいとみられています。
肥満というのも、ハイリスク要因です。
生活習慣も見逃せません。
タバコを吸う人は吸わない人より歯周病になりやすいことはわかっていますし、アルコールの影響も指摘されています。
食生活も大きく関係し、偏食していたり、だらだら食いをしている人は、かかりやすいでしょう。
ストレスも大きな影響を与えます。
強いストレスにさらされていると、体の免疫力が低下します。
免疫力が落ちてくると歯周病にかかりやすく、しかもかかった場合には治りづらい傾向がみられます。
女性ホルモンが歯周病を招く
さらに、女性は男性に比べ、歯周病にかかりやすいという特徴があります。
これは、女性ホルモンの影響と考えられ、とくに、ホルモン分泌が変化する妊娠期や更年期に歯周病の患者さんが急増します。
また、閉経が過ぎて女性ホルモンが減少しても、骨粗しょう症を起こしやすい女性のほうが歯周病の発症率が高くなります。
これは、骨粗しょう症で歯を支える歯そうこつ槽骨がやせ細るためです。
そのほか、高血圧の薬を飲んでいる人は発症しやすいなど、薬の影響で歯周病にかかりやすくなる場合もあるようです。
カテゴリー:歯周病
生活習慣の改善で、歯周病予防
毎日の生活習慣の影響で、発症したり進行する病気を生活習慣病と呼びます。
その意味で、毎日の口腔ケアをきちんとしているかどうか、免疫力を落とさない生活を送っているかどうかが発症に影響する歯周病も、生活習慣病といえるでしょう。
生活習慣病は、毎日の生活習慣の見直しで予防することができるのです。
実際、厚生労働省は、「健康日本21」という21世紀の国民健康運動を2000年から立ち上げましたが、その中の、予防努力が必要だとする生活習慣病に、がんや心臓病、脳卒中、糖尿病などと一緒に歯周病も含まれています。
歯の健康と全身の健康は分かちがたく結びついているという視点から、21世紀の長寿社会を支えるためにも、歯の健康に積極的に取り組もうということでしょう。
そのため、自治体での歯周疾患検診(40歳・50歳対象)の実施を呼びかけているほか、進行した歯周病のある人(50歳)を現在の46.9%から33%以下にするといった数値目標も掲げています。
歯周病予防は痴呆症予防にもなる
高齢者社会が進めば進むほど、歯周病への取り組みは必須です。
できるだけ長く自分の歯でかもうと思えば、歯周病の予防が欠かせません。
アルツハイマー病の人は、そうでない人に比べ自分の歯が少ないといわれていますが、自分の歯でかめなくなると、脳に血液が士分にいかず、脳の働きを低下させるとみられています。
実は、歯と歯槽骨をつなぐ歯根膜という結合組織には、歯の感覚を脳に伝えるセンサーともいうべきレセプターがあり、これが三叉神経で脳とつながっています。
ところが、歯が失われると、歯根膜のレセプターも失われてしまい、歯の感覚は脳へ届かなくなります。
かむという動作自体も、脳を刺激し血液量を増やします。
よくかまないと脳への血液量は減りますから、脳の働きも低下します。
入れ歯も、自分の歯に比べてかむ力が弱くなります。
総入れ歯の場合、自分の歯がある人より脳へいく血液量は40%も少ないというデータもあります。
よくかむことは、骨の老化防止にも効果があります。
とくに、女性は閉経後、女性ホルモンがガクンと減少するのに応じて骨量が減り、骨粗しょう症の心配が出てきます。
ある老人施設で、よくかめるグループとかめないグループの骨密度を調べたところ、前者のほうが後者に比べ、圧倒的に骨量が多いという調査結果もあります。
これは、よくかむことが骨量を保つのに役立つことを示しています。
歯周病になっても歯がなくなるだけ、と思っていたら、それは大きな間違いです。
どれだけ自分の歯でかめるかが、老後を左右するのです。
カテゴリー:歯周病
歯周病の原因はかみ合わせの悪さ
最近注目されてきているのが、かみ合わせと歯周病の関係です。
かみ合わせの悪さが歯周病に与える影響は、直接的な面と間接的な面のふたつの側面を持っています。
まず、直接的な物埋的原因としては、次のようなことがあげられます。
かみ合わせが悪く、かむたびにある特定の歯だけに力が加わっていると、組織が圧迫されその歯のまわりにある歯根膜繊維の血流が悪くなり変性して、歯はグラグラしてきます。
ちょうど、砂の中に棒を立てぐいぐい押していると、まわりの砂が落ちてきて棒はますますゲラゲラし、まわりの穴が大きくなるようなものです。
常に歯がグラグラしていると、だんだん歯周ポケットが深くなっていきます。
歯周ポケットは、歯周病の原因菌であるグラム陰性菌の格好のすみか。
ここに細菌が住み着き、感染すると、歯周病を発症してしまうのです。
このように、歯周組織に過度な力が加わって起こる損傷を咬合性外傷といいます。
歯肉のはれなど歯周病の症状はみられないのに、歯だけがグラグラしている場合は、この咬合性外傷であることが多いようです。
咬合性外傷を引き起こすような異常のあるかみ合わせのことを、外傷性咬合といいます 。
外傷性嘆合の原因の多くは、不適切な歯科治療です。
咬合バランスが原因で全身に影響がある
一方、間接的な原因になるのは、咬合バランスの悪さが引き起こす全身的な影響です。
歯をかみ合わせたときに、あごに左右同等の力が加わっていない、つまり咬合バランスがとれていないと、徐々にあごが一方にずれてきてしまいます。
あごが曲がることを顎偏位症といいますが、このような状態が続くと、ずれた反対側のあごの筋肉は緊張を強いられます。
その結果、肩こりや偏頭痛、精神的なイライラなどの症状に悩まされるようになり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
自律神経とホルモンはお互いに影響し合っており、自律神経のバランスが崩れるとホルモン分泌にも変調をきたします。
ホルモン分泌のアンバランスは免疫力の低下を引き起こし、免疫力が落ちてくると口の中の細菌が増殖し、歯周病を発症することにもなります。
このようにかみ合わせが悪いと、間接的に歯周病を発症させることになるのです。
カテゴリー:歯周病
更年期と歯周病
更年期も、歯周病が多発しやすい時期です。
更年期とは、閉経をはさんだ前後数年ずつをいいますが、日本人女性の場合、50〜51歳が平均閉経年齢なので、更年期は約45〜55歳ごろといえるでしょう。
更年期になると、閉経に向かって女性ホルモンの分泌が減っていきます。
ホルモンバランスの崩れから自律神経の失調が起こり、ほてりや発汗、動悸や息切れ、肩こり、腰痛や関節痛などのほか、不眠やイライラ、疲労感など、さまざまな症状があらわれます。
このような症状には個人差が大きく、とくに症状のあらわれない人もいれば、寝込むほどつらい症状におそわれる人もいます。
口の中も、更年期の影響は免れません。
唾液の分泌が低下し、のどの渇きを訴える人が増えます。
歯肉に知覚過敏が起こったり、なかには一時的な味覚異常になってしまう人もいます。
しかし、更年期で一番多くみられる口の中のトラブルは、やはり歯周病でしょう。
この時期、歯周病にかかりやすくなるのは、免疫力の低下が深く影響しています。
ホルモン系と自律神経系、免疫系の3者は、お互いにバランスをとりながら体調を維持しているため、更年期でホルモンバランスが大きく崩れてくると、急な発汗やほてり、イライラなど自律神経系の症状があらわれます。
当然、免疫機能も低下し、体調は落ち込みます。
歯周病も、免疫力の低下により、かかりやすくなるばかりか、治りも悪く、すぐに症状が進行します。
しかし、この時期に歯周病対策をきちんととっておかないと、次の高齢期に早々と歯を失った状態で過ごすことになりかねません。
閉経以降、一挙に進むのが骨粗しょう症です。
骨粗しょう症は、骨のカルシウムが抜けて、スカスカになってしまう状態をいいます。
これには、閉経後、女性ホルモンのひとつエストロゲンが急激に減ることが関係しています。
エストロゲンには骨を強化する働きがあり、急な減少は骨の破壊を進めることにつながるのです。
骨粗しょう症は、歯を支えている歯槽骨にも影響を及ぼします。
歯槽骨がやせ細って、歯周病が進行すると、歯はグラグラになりやすくなります。
高齢期の女性の歯周病対策では、骨粗しょう症予防が欠かせません。
最近では、ホルモン補充療法(HRT)を受ける女性が増えてきており、不足する女性ホルモンを補うことで骨粗しょう症が予防・改善されてきています。
閉経後の歯槽骨吸収はHRTによってかなり抑制されているという、海外での調査報告もあります。
そのほか、高齢者になれば常用する薬も増えてきます。
高血圧の薬などある種の薬には、歯周病を悪化させるものもあるので、他の病気の治療を受けている場合は、歯科医にその点を忘れず伝えるようにしましょう。
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歯周病の自己チェック
歯周病は、はっきりした自覚症状のないまま、少しずつ進行していく病気です。
ある日突然、歯がポロリと抜けてしまう、なんてことのないよう、日ごろからお口の中をチェックする習慣をつけましよう。
あなたのお口はだいじょうぶかどうか、「歯の意識度チェック」と「歯周病セルフチェック」で、チェックすることから始めましよう。
・奥に汚れ(プラーク)がついていると思いますか?
・歯を磨くときに歯肉から出血しますか?
・歯肉の色が赤、または赤黒いですか?
・歯肉がむずむずすることはありますか?
・歯がときどきはれたり、痛んだりしますか?
・歯肉を押すと膿が出ますか?
・歯が動くようになったと思いますか?
・最近、歯が長くなったようにようにみえますか?
・歯と歯の間に食べ物がよくはさまりますか?
・歯ぎしりや、いびきをかくといわれますか?
三つ以上当てはまる人は、歯科医院で検査をしてもらいましょう。
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歯周病の直接な原因は細菌
歯周病の原因には、細菌・免疫力・かみ合わせの3つがありますが、直接の原因となるのは口の中にいる細菌です。
歯周病は、細菌による感染症です。
もともと日の中には300〜400種類の菌がいて、これらを口腔内常在菌といいます。
口腔内常在菌にもいろいろな種類がありますが、7割ぐらいを善玉菌、3割ぐらいを悪玉菌が占めています。
悪玉菌には虫歯菌などもあり、歯周病の原因になる菌は30~40種類ぐらいあるとみられています。
口の中では、これら常在菌により細菌どうしのバランスが保たれています。
しかし、体調が悪化するなど何らかの理由でそのバランスが崩れると、悪玉菌が増殖し、虫歯や歯周病、口内炎などの病気が発生してしまうのです。
最近は、歯磨き剤や歯ブラシのCMなどで「プラーク」(歯垢)という言葉をよく耳にするようになりました。
プラークは、食べ物のカスや細菌、細菌の代謝物などからできています。
口腔ケアをきちんと行わないと、プラークはすぐにたまってしまいます。
プラークの成分には、多糖類やたんばく質も含まれますが、ほとんどが細菌です。
プラーク1mg中に数千億の菌がいるといわれていますから、プラークがこびりついた歯のまわりには、細菌がうじゃうじゃいることになります。
とくに、歯の歯肉の境目にプラークはたまりやすく、これが歯周病の原因となります。
プラークをつけたままにしていると、食べ物が分解してできた糖の一種のデキストランと唾液中のリン酸カルシウムが結びつき、カルシウムが結晶化して歯石になってしまいます。
毎日のブラッシングで、プラークは取れますが、歯石になってしまうとブラッシングだけでは取ることができません。
歯周病菌を増殖させないために、改めてブラッシングの大切さを確認したいものです。
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歯周病予防に効果のあるブラッシング法
歯周病の原因となる菌はプラークに住み着いて、放っておくと、どんどん増殖していきます。
プラークをこまめに取り除くことこそ、歯周病予防の基本。それには毎日のブラッシングが欠かせません。
適切な方法のブラッシングであれば、プラークや食べかすを取り除くことは十分可能です。
また、歯肉炎で歯肉がはれているような段階なら、ていねいなブラッシングで治ることがよくあります。
ブラッシングの方法には、バス法やスクラッピング法などいろいろありますが、この方法が一番というものは確立されていません。
というよりも、歯の形は十人十色、生え方も左に傾いたり、前に出ていたりと一人ひとり違います。
ですから、誰にとっても一番いい方法ということ自体、無理があります。
ちなみに、バス法というのは、歯肉溝(歯と歯肉の間)に45度で歯ブラシを当て、細かく動かす方法です。
スクラッピング法は、歯に直角にブラシを当て細かく左右に動かす方法で、今回紹介するブラッシング法も、この方法を発展させたものといえるでしょう。
さまざまな試行錯誤を重ね、今では、次のような方法が歯周病に効果があるとわかってきました。
歯ブラシの毛先を歯の面に対して直角に当て、軽く表面をこするブラッシング法です。
3つのポイントをあげてみましょう。
(1)毛先が歯の表面に直角になるよう歯ブラシを当て、ブラッシングする。
(2)一本の歯を3分割して細かくブラッシングする。
(3)歯ブラシの面を使い分けてブラッシングする。
歯ブラシを強く押し当て、ゴシゴシこするように磨くほうが汚れが取れると思っている人もいるようですが、これは間違いです。
プラークは毛先を軽く動かすだけで取れますし、強く押し当てていると、ブラシの毛先が聞いてしまい、歯の画に対し直角に当てることができず、プラークがうまく取れません。
そればかりか、バサバサに広かったブラシを強くこすりつけ、歯肉を傷つけることが心配です。
ブラッシングの強さは、歯ブラシで手の甲をこすってみて、痛くない程度というのが目安になります。
ポイントのふたつめは、1本の歯の表面をたてに3つに分け、それぞれの部分をたて方向にブラッシングすることです。
歯の表面は平らではなく、カーブを描いています。
3分割したそれぞれの面に対して直角にブラシを当てれば、歯全体をきれいにブラッシングすることができます。
ただし、奥歯をたてに3分割するのはむずかしいので横に3分割し、ブラッシングもたて方向ではなく横方向にします。
3つ目のポイントは、歯ブラシの各部を使い分けることです。
歯ブラシを常に歯に対して直角に当てるのは、むずかしいことです。
そこで、歯ブラシのつま先(先端部)は、奥歯の側面や3分割した歯の両わき、上前歯の裏側を、
ブラシのわきは、前歯のわきや歯肉と歯のさかい目を、
歯ブラシのかかと(柄に近い部分)は、歯の裏側を、
というように、それぞれ使い分けながらブラッシングをします。
このようにすると、常に歯の面に対して直角にブラシを当てることが可能になります。
さあ、毎日この方法で、1本1本ていねいにブラッシングしてみましょう。
毎食後ブラッシングするのがベストですが、仕事などで忙しい人は、寝る前でもいいですから、1日1回はこの方法でていねいにブラッシングしましょう。
なお、歯周病で受診すると、たいていの歯科でブラッシング法を指導されます。
歯周病は、歯科での治療だけでなく、自宅でのブラッシングがきちんと行われなければ治らないからです。
受診のたびに、磨き残しがないかなどのチェックを行われますが、方法が今ひとつわからなかったり、うまくできないような場合は、どんどん相談しましょう。
あなたに合ったブラッシング法を身につけることが、歯周病を予防し、治療にも必要なことなのですから。
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歯周病は様々な病気を引き起こす
口の中にいる細菌のうち、同じ悪玉菌でも、虫歯の原因菌と歯周病の原因菌は異なります。
さらに、歯周病のうち、歯肉炎と歯周炎でも原因となる菌は違います。
虫歯の原因になるのは、連鎖球菌、乳酸梓菌、放線菌などで、
歯肉炎の原因菌は、アクチノマイセス・ビスコーサスなど歯肉線上にたまったプラークに増殖している細菌たちです。
歯肉線上というのは、歯肉と歯が接している、目に見える部分のことをいいます。
虫歯の菌も歯肉炎の菌も、その多くが好気性菌といって酸素を好む菌です。
口の中の菌のうち、歯の表面など目に見えるところにいる菌の多くは好気性菌です。
一方、歯周炎の原因菌は、主に酸素を嫌う嫌気性菌です。
歯周炎を起こす細菌は、歯周ポケット内の直接酸素に触れない歯肉緑下のプラークに増殖しています。
歯肉緑下というのは、歯肉と歯が接した部分より下の歯の部分で、空気に触れにくい場所です。
嫌気性菌は酸素を嫌う菌ですから、歯周ポケットの内側とか、舌の裏側など、口の中でも空気が届きにくいところにたくさんいる菌なのです。
歯周病が持つ細胞内毒素
虫歯の菌に多い好気性菌は、別名グラム陽性菌と呼びます。
歯周病の菌に多い嫌気性菌のほうはグラム陰性菌といいます。
これは、顕微鏡下で菌を判別するために使うグラム染色という染色方法により分けた呼び方です。
顕微鏡をのぞいても、菌は無色透明ですから判別がむずかしい。
そこで、それぞれの菌の、染色したときの反応の違いを利用し区別するわけです。
好気性菌=グラム陽性菌、嫌気性菌=グラム陰性菌と理解しておいてください。
さて、グラム陽性菌とグラム陰性菌との一番大きな違いは、細胞内毒素を持っているかどうかです。
細胞内毒素というのは細菌が自ら細胞内に持っている毒素のことで、グラム陽性菌は持っていませんが、グラム陰性菌は持っています。
歯周炎の菌の多くはグラム陰性菌、つまり細胞内毒素を持っている菌です。
グラム陰性菌はエンドトキシンという細胞内毒素を持っており、この毒素が歯肉やその周囲組織を傷つけるわけです。
また、最近は、グラム陰性菌が全身の病気と関係していることがつぎつぎとわかってきています。
歯肉の毛細血管から入り込んだグラム陰性菌が全身にまわり、菌の持つ内毒素などがさまざまな病気を引き起こしていくのです。
動脈硬化は、動脈の壁にコレステロールなどが付いて血管が狭くなった状態です。
グラム陰性菌が歯周組織から血液に入ると、菌の持つ内毒素は全身の臓器を刺激し、細胞へのダメージを与えます。
また、歯周菌自体も血管壁に付着し、動脈硬化の原因になるとみられています。
そのほか、グラム陰性菌が心臓の内膜で炎症を起こす心内膜炎や、食べ物や飲み物が誤って気道に入ったとき、口の中の菌も一緒に肺に入り込み発症する誤囁性肺炎もそうです。
また、妊娠中に歯周病にかかり長期間放置していると、早産になったり、低出生体重児になりやすいなど、歯周病菌と全身の病気との関係がたくさん指摘されています。
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歯磨き剤と洗口剤
歯磨き剤には、さまざまな種類があります。
しかし、市販されているものにはほとんど、合成界面活性剤や防腐剤、着色料などの化学物質が含まれています。
これらの人体への影響を考えると、基本的に市販の歯磨き剤は使わなくてもかまわないと考えています。
虫歯予防に効果があるフッ素が入った歯磨き剤もあります。
確かに、フッ素自体は虫歯の予防効果が高いものですが、プラークの上からでは効果はなく、磨き残しがあればこれを使っても意味がありません。
歯周病予防の歯磨き剤として市販されているものも、化学物質が含まれていますし、実際にどの程度効果があるかは不明です。
合成界面活性剤への不安もあります。
これは、合成洗剤の成分でもある物質で、歯磨き剤では、口の中にアワを立て洗浄する目的で含まれています。
しかし、すぐにアワ立つために、口の中がきれいになったような気がして、磨き残しを作ってしまいがちですし、
うがいをして出すとはいえ、口の中に合成界面活性剤を入れることに抵抗がある人も少なくないと思います。
そのため、合成界面活性剤のかわりに石けんを使ったり、発泡剤を使っていない歯磨き剤も作られています。
歯周病予防の効果のほどはわかりませんが、歯磨き剤を使うならば、合成界面活性剤を使わない歯磨き剤のほうが体に安心でしょう。
なお、液状歯磨き剤も、研磨剤以外、成分はほとんど練りタイプの歯磨き剤と同じです。
これは、適量を口の中に含みグチユグチユした後、吐き出してからブラッシング、という使い方をします。
これも、口の中に合成界面活性剤なとが残るでしょうし 人体への影響が、やはり心配です。
洗口剤(マウス・ウオッシュ)も、多種多様です。
同じ液状ということで、液状歯磨き剤と間違えやすいのですが、洗口剤は、いわゆる「うがい薬」です。
ほとんどが、口臭予防と口腔内殺菌・洗浄を目的としています。
使い方は、口の中に洗口剤を含み、グチュグチュとうがいをし、その後、吐き出します。
ただ、吐き出した後に水ですすぐと、洗口剤の薬液成分が薄められ、効果が下がってしまいます。そのため、水ですすぐことは止められます。
しかし、洗口剤に含まれている殺菌剤は強力です。
ほとんどが歯周病の原因となる菌を殺す能力がありますが、同時に、日の中に常在している善玉菌も殺してしまいます。
善玉菌は、口腔内の細菌たちのバランスを保ち、免疫機能を順調に働かせるのに欠かすことのできない存在です。
善玉菌が減ると、口の中のバランスが崩れ、結果的に歯周病菌を増殖させてしまいます。
また、市販されている洗口剤には、歯磨き剤同様、合成界面活性剤や防腐剤などの化学物質が含まれています。
日の中の粘膜の吸収率は、皮膚の何倍も高いうえ、洗口剤を使った後は水ですすぐこともしないわけですから、これらの成分が体内に吸収されることは避けられないでしょう。
とくに、免疫力が落ちてくる中高年や高齢者、病人は、殺菌性の強い化学合成物の洗口剤の使用を控えたほうがいいでしょう。
合成界面活性剤の人体への影響
合成界面活性剤の成分は硫酸ナトリウムなどです。
人体への影響は、以下のようなものです。
・舌にある味蕾(味を感じる細胞)を傷つけ、味覚が鈍化する。
・歯肉組織や頬の内側、舌の表面の粘膜が傷む。
・粘膜から体内に吸収され、体内の細胞を損傷する危険性がある。
発がん性があるという報告も。
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