更年期と歯周病
更年期も、歯周病が多発しやすい時期です。
更年期とは、閉経をはさんだ前後数年ずつをいいますが、日本人女性の場合、50〜51歳が平均閉経年齢なので、更年期は約45〜55歳ごろといえるでしょう。
更年期になると、閉経に向かって女性ホルモンの分泌が減っていきます。
ホルモンバランスの崩れから自律神経の失調が起こり、ほてりや発汗、動悸や息切れ、肩こり、腰痛や関節痛などのほか、不眠やイライラ、疲労感など、さまざまな症状があらわれます。
このような症状には個人差が大きく、とくに症状のあらわれない人もいれば、寝込むほどつらい症状におそわれる人もいます。
口の中も、更年期の影響は免れません。
唾液の分泌が低下し、のどの渇きを訴える人が増えます。
歯肉に知覚過敏が起こったり、なかには一時的な味覚異常になってしまう人もいます。
しかし、更年期で一番多くみられる口の中のトラブルは、やはり歯周病でしょう。
この時期、歯周病にかかりやすくなるのは、免疫力の低下が深く影響しています。
ホルモン系と自律神経系、免疫系の3者は、お互いにバランスをとりながら体調を維持しているため、更年期でホルモンバランスが大きく崩れてくると、急な発汗やほてり、イライラなど自律神経系の症状があらわれます。
当然、免疫機能も低下し、体調は落ち込みます。
歯周病も、免疫力の低下により、かかりやすくなるばかりか、治りも悪く、すぐに症状が進行します。
しかし、この時期に歯周病対策をきちんととっておかないと、次の高齢期に早々と歯を失った状態で過ごすことになりかねません。
閉経以降、一挙に進むのが骨粗しょう症です。
骨粗しょう症は、骨のカルシウムが抜けて、スカスカになってしまう状態をいいます。
これには、閉経後、女性ホルモンのひとつエストロゲンが急激に減ることが関係しています。
エストロゲンには骨を強化する働きがあり、急な減少は骨の破壊を進めることにつながるのです。
骨粗しょう症は、歯を支えている歯槽骨にも影響を及ぼします。
歯槽骨がやせ細って、歯周病が進行すると、歯はグラグラになりやすくなります。
高齢期の女性の歯周病対策では、骨粗しょう症予防が欠かせません。
最近では、ホルモン補充療法(HRT)を受ける女性が増えてきており、不足する女性ホルモンを補うことで骨粗しょう症が予防・改善されてきています。
閉経後の歯槽骨吸収はHRTによってかなり抑制されているという、海外での調査報告もあります。
そのほか、高齢者になれば常用する薬も増えてきます。
高血圧の薬などある種の薬には、歯周病を悪化させるものもあるので、他の病気の治療を受けている場合は、歯科医にその点を忘れず伝えるようにしましょう。
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