歯周病になりにくい人
歯周病という病気は、口腔内での症状にとどまらず、全身疾患へいたる危険性をはらんでいます。
さいわいなのは、不可抗力でなってしまう宿命的な病気でもなければ、無差別に降りかかる原因不明の難病でもないことです。
ほとんどの人は、心がけ次第で防ぐことも十分に可能で、かかってしまったとしても根気強くケアと治療を並行すれば、治癒させることもできます。
その意味では、歯周病は生活習慣病の一つで、誤った生活習慣の積み重ねによって生じる病気なのです。
糖尿病、心疾患といった生活習慣病にかかる人の数は、確実に増えています。
大きな病院の待合室はこれらの病気の診察や治療を受ける人たちであふれかえっています。
しかし、最先端の高度な医療技術で治療をほどこしたところで、数年後に同じ病気を再発するという人の数もまた少なくないのです。
それが生活習慣病といわれるゆえんで、いかにたいへんな思いをして高度な治療をしたところで、生活全体を見直していかなければ、本当の意味で完治したとはいえないのです。
だから、歯周病を治したいならば、治療で物理的に患部を治すとともに生活習慣を変えていき、歯周病を予防したいなら、生活習慣を改善して、体質を変えていけばいいのです。
それでは、歯周病にならない人は、どこがちがうのでしょうか。
ひとことでいえば、それは「免疫力」の差です。
同じように歯磨きをしていても、「歯周病になる人と、ならない人がいる」ちがいを突き詰めれば、それは免疫力の差から生じているのです。
早いうちに歯周病菌がおよぼす全身への害を知れば、「自分は歯周病にならないようにしよう」と多くの人は心に決めるでしょう。
歯周病はたいてい感染してから、10〜20年の潜伏期間を経て、具体的な症状を発症します。
「日本人の40代以降の8割が歯周病」という事実からわかることは、おそらく歯周病菌の感染自体はだいたい20〜30代のときにすでに起きているということです。
つまり、ほとんどの人は若いうちに歯周病菌に感染してしまっているのです。
歯周病はまったく進行しない静止期間と、階段をかけ上がるように急速に悪化する期間を繰り返し、進行していきます。
進行しない静止期間は、免疫力がよく働いていて、菌の活動性が低いときです。
悪化の階段をのぼるタイミングは、免疫力が低下したときです。
つまり、免疫力を一定に保つ努力をすれば、歯周病の進行は抑えることが可能です。
歯周病にならないためには、免疫力を保持する生活や歯磨きなどのデンタルケアによって静止期間をなるべく長くして、免疫力が落ちる悪化期間を呼び込まないことが大切です。
上手にコントロールしつつ、高い免疫力を維持すればそのまま生涯、歯周病の具体的な症状を発症させないことも不可能ではありません。
おそらく多くの人は、すでに歯周病が発症する萌芽をもっています。
これから大切なことは、自己コントロールでそれ以上進めない、悪化を食い止めることです。
そのための大きな武器となるのが「免疫力」なのです。
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