歯周病は生活習慣病
歯周病は、歯磨きの不徹底だけが原因で起こる病気ではありません。
その背景には血液の質が悪くなって血管力が落ち、免疫力や代謝が低下している状況が、かならずひそんでいます。
歯周病の治療では、口腔内だけを診て治療をするのではまったくの不十分で、たとえその場では一時的に治癒したとしても、生活習慣が変わらなければ再発します。
歯周病は生活習慣病なのです。
本来の健康を取り戻すには、血液・血管の状態をつぶさに知ることで、体質と生活を改善していく必要があるのです。
健全な血液・血管がいとなまれていれば、万が一、歯周病菌が体内で増えてしまったとしても、免疫力の働きで一掃されて、歯肉には健全な状態に戻ろうとする自然治癒力が働きます。
しかし、十分に血液が届かず、白血球たちと歯周病菌が一進一退の戦いをしていれば、病気は長引き、そのぶんだけ歯周組織は破壊されていきます。
血液のめぐりが悪い、いきおいがない状態を「瘡血」といいます。
瘡血の「瘡」とは、滞っている状態を意味します。
瘡血とは、血液が滞って末端にまで行き届いていない不健康な状態で、あらゆる不調や病気を引き起こす土壌となります。
具体的には、暴飲暴食などで血液によぶんなコレステロールや糖分がたまり、ドロドロになって血のめぐりが悪くなることを瘡血といいます。
また、貧血などの血液成分の欠乏、冷え性、肩こりなどで老廃物がたまって血流が悪い状態、血液中に大量に活性酸素が発生して血液が酸化している状態も、瘡血にあてはまります。
血液の流れが悪くなると、全身の細胞が酸欠や栄養不足となって衰弱し、ちょっとしたことで病気になりやすくなります。
歯周病は、この瘡血体質の人にとくに多くみられるのです。
外見的、体質的傾向でいえば、大きく分けて2つのタイプがあります。
まず、胃腸が弱くてからだが細く、猫背でお腹がぽっこりと出ているタイプの人。
胃腸の栄養吸収が悪いため、血液の材料となる栄養が不足して貧血ぎみです。
栄養が十分でないために筋肉がしっかり発達せず、胃下垂の傾向があります。
また、全身の筋肉が脆弱なため、姿勢が悪くなりがちです。
血液が足りないうえに血液を送り出す筋力も弱いため、冷え性や肩こり、腰痛を起こしやすく、当然、末端である歯肉の血行も悪くなります。
このタイプはとくに女性に多くみられ、生理不順や重い生理痛をともなうことが多いようです。
もう一つのタイプは、肥満体型で高血圧タイプ。
いわゆるリンゴ体型、メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)といわれる、内臓のまわりに脂肪がたっぷりたまった状態です。
暴飲暴食やストレスによって、コレステロールなどが血管壁にたまり、血管が肥厚化して柔軟性を失い、毛細血管まで健康な血液がいきわたりません。
こちらは男性に多くみられるタイプで、ED(勃起不全)をともなっていることが少なくありません。
EDというとストレスや精力の問題と思われがちですが、男性器は海綿状の組織に血液がたまることで勃起するようにできています。
つまり、血液の流れが悪いと血流不全を起こして、勃起不全につながるのです。
さらに付け加えるならば、精神的ストレスなどで自律神経を失調している人にも、瘡血が起こることがあります。
血管は神経といっしょに走行しているので、自律神経の調子が悪くなると、血流にその影響がおよぶのです。
血液の状態は日々、刻々と変わっています。
1週間前には健全であっても、その後の生活や食生活、ストレスなどによってまるっきり変貌してしまっていることもあります。
病院や検査機関に足を運ばないかぎり、血液成分の状態は知ることができません。
しかし、毎日の体調からでも血液の状態は推しはかることができます。
血液のめぐりが悪くなる瘡血が生じると、それだけ歯周組織の血流にも影響します。
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